
人工芝
@_k55y
2026年6月17日
白ゆき紅ばら
寺地はるな
読み終わった
読み進めるほどに「優しさとは何だろう」と考えさせられる物語だった。
誰かを守りたいという気持ち。
誰かの居場所になりたいという願い。
それらは本来とても温かいもののはずなのに、ときに人を縛り、傷つけてしまうこともある。
登場人物たちは皆、それぞれの孤独や不安を抱えていて、だからこそ誰かを求め、誰かに救いを求める。その姿がとても人間らしく、切なかった。
派手な展開で読ませる作品ではない。
けれど静かにページをめくるうちに、気づけば心の奥深くまで入り込んでくる。
読み終えたあとに残ったのは、悲しさだけではなく、どこか淡い希望だった。
人はひとりでは生きられない。けれど、誰かに寄りかかりすぎても生きられない。
その絶妙な距離感の難しさと尊さを、やさしい筆致で描いた作品だと感じた


