時雨崎 "" 2026年6月17日

猿
京極夏彦
この上なく京極夏彦らしい感情の解体でいつものやつ〜って感じでサクサク読める。 「愛玩の玩は、弄ぶという意味なんだぞ。愛は執着だ」 「『――怖いのはその』愛着なんじゃないか」 いつも言ってる。 話の大筋としては、主人公が会ったこともない曾祖母さんが百歳で亡くなり、岡山の山奥の土地相続のため弁護士と現地に赴くことになるという話。 この時点ではオカルトじゃない現実的な恐怖ある。いずれ身に降りかかることとして現実的にめちゃくちゃ嫌。 それはともかくとして、オカルト的な怖さ、因習的な怖さの感情を抱く時の心の動き、錯覚を会話劇を通じて持論を展開していくので、基本的に怖くない……本文の8割まで。 8割超えたあたり、恐怖の感情の正体を明かしつくした先で、形にならない名前を付けて対処もできない、ただただ「無い」ことへの恐怖が迫ってくる。 そこに無感情な主人公が急に怖い。恐怖の大半が思い込みと分かった上でなおも恐怖という感情が湧いてくるのが怖い。 内容の割にゆるいサインを見ると京極夏彦わからんな〜って思う
猿
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