K.K.
@honnranu
2026年6月18日
幼年期の終わり
アーサー・チャールズ・クラーク,
池田真紀子
第1部読み終わり。元に「守護天使」という短編があり、それを全体の第1部にしているらしく、ここだけで一つの物語として読める。
ある日、ニューヨーク、ロンドン、パリ、モスクワ、ローマ、ケープタウン、東京、キャンベラといった大都市の真上に、銀色に輝く雲のような金属質のものが現れた。英語でカレランと名乗ったそれは、その後五年間、地球を導く。人類で唯一、カレランと直接やりとりをしている国連事務総長ストルムグレンは誘拐される。急進派は、秘密主義を貫くカレランの姿を、いまだストルムグレンすら見られていない事から、カレランを信頼して良いか疑問視している。果たしてカレランの姿とは。
カレランの指導の一つ、動物虐待禁止令に違反した闘牛の興行が、一万の観客に痛みを与えるシーン。多分、食料確保や自己防衛を除く動物に苦しみを与える行為が、カレランの基準に触れたので、槍で突かれた動物と同じ痛みを観客含め味合わせたんだと思うけど、それによって文化が打ち砕かれるとする主張もまあわかるのがな〜。といって、人間同士の殺し合いは看過するのも、オーヴァーロード側も極端では?
ストルムグレンは嘘をついたと書いてあるので姿を見たんだろうけど、それを(少なくとも30年)秘し続けているの、カレランはストルムグレンを信じたし、ストルムグレンもオーヴァーロードの決定に従っているのが、単純ながら味わい深い通絡がある。クラークがそれを直接的に書かないのも良い。
にしても序盤の描写で、六日も沈黙を貫くのは長いし、ラジオの演説の直後に悟るのも反対派が数週間で内崩壊するのも政府が30分の偏光で人種の憎悪と内戦を翌日には収拾すると発表するのも早すぎない?人類はもっと愚かです。
