
ヒヨリ
@charonll
2026年6月19日
少年が来る
ハン・ガン,
井手俊作
読み終わった
おれは歴史なんかきらいだ 思い出が好きだ 国なんかきらいだ 人が好きだ /寺山修司「孤独の叫び」
…今住む日本も、となりの韓国も、どこだってそれが国である限り、私は嫌いだ。国境線で分かたれている限り、国民とかいう概念がある限り、国が国を支配した歴史がある限り、国によって殺された無数の人がいる限り、私は、どんな国も嫌いだ。
人が好きだ。銃の引き金をひけなかった人が。死後もなお姉を想う弟が。息子の思い出を追いかける母が。『光州』を忘れたい人が。忘れられない人が。『光州』の人々を書こうとした作家が。
それでも、あの時光州にいたすべての人間が、これから出会うすべての人間が人である以上、殺したほうを人間らしくない、人でないと切り捨てることに何の意味があるのだろう?
"사람 같은 사람"になりたいといつも思っていたけど、人間性とは一体何なんだろう?銃の引き金を引かないのも人で、引くのも人で、自分が引ける人間にならない保証が一体どこにあるんだろう?
人間らしい/人間らしくないという線引きには何の意味もなく、自らが人間であるという事実と闘い続けるほかないのかもしれない。
死や過去について考えることが生や現在、未来について考えることと同じように、人間の残酷性を見つめることこそが、人間の尊厳を見つめることなのかもしれない。
人間の残酷性と尊厳が同時に存在した「光州」、時を超え空間を越えてわたしたちに問いかけてくる「光州」。
ハン・ガン작가님がノーベル賞を受賞した際のインタビュー記事を思い出した。
「世界はどうしてこんなに暴力的で苦しいのか」「同時に、世界はどうしてこんなに美しいのか」
「過去が現在を助けている。死んだ者たちが生きている者を救っている」
「私たちはどれほど深く暴力を拒否できるか」
「私たちはどれだけ愛せるか。どこまでが限界か。どれだけ愛すれば私たちは人間のままでいられるか」
https://www.asahi.com/articles/ASSD772M6SD7UCVL035M.html


