
ハム
@unia
2025年3月25日

センスの哲学
千葉雅也
読み終わった
同じ著者の「勉強の哲学」でもそうだったけど、専門がフランス思想とあって思考スタイルにディセルタシオンの影響をすごく感じる。でもベースはやはり日本のもので、ハイブリッドではあるけど以前読んだ「論理的思考の文化的基盤」の主張を裏付けてるなと思った。
〈センスとは、反復と差異を持つものごとのリズムを、生成変化のうねりとして、なおかつ存在/不在のビートとして、という二つの感覚で捉えることである〉
なんに対しても意味の有無を探してしまうのではなく、意味の前の段階を直観的に捉えられるようになることがセンスの良さになるのだろうけど、
こうした「センス」の的確な言語化こそセンスよねと思う。
何かの対談で、詩人の最果タヒさんが、〈何を書くか決めないで詩を書く〉と言っていて、それを永井玲衣さんは〈意味を引き込まないままに、言葉が自分を追い抜いてくれるように書く感覚〉みたいな表現をしていた。
意味にとらわれず形や響きといったリズムを捉えてる人はやはりいるんだよなと、この本を通して芸術に対してや世界に対する解像度が上がる気がしてワクワクする。




