
人工芝
@_k55y
2026年6月20日
日暮れのあと
小池真理子
読み終わった
人生は整理されて終わるわけではない。
失った人への想いも、叶わなかった願いも、消化しきれなかった感情も、そのまま抱えながら人は歳を重ねていく。
振り返ることしかできない時間の中で、それでも諦めきれない感情を抱えている。
その姿は時にみっともなく、身勝手で、痛々しい。
けれど、その弱さこそが人間らしくて胸を打つ。
誰かを忘れられないこと。
過去に囚われ続けること。
寂しさを抱えながら生きること。
それらは欠点ではなく、人が誰かを本気で愛した証なのかもしれないと、この作品は静かに語りかけてくる。
読み終えたあとに残るのは、「あの人は幸せだったのだろうか」という登場人物への問いだけではなく
「私は、誰を忘れられずに生きていくのだろう」
という、自分自身への問いもあるだろう。


