日暮れのあと
10件の記録
人工芝@_k55y2026年6月20日読み終わった人生は整理されて終わるわけではない。 失った人への想いも、叶わなかった願いも、消化しきれなかった感情も、そのまま抱えながら人は歳を重ねていく。 振り返ることしかできない時間の中で、それでも諦めきれない感情を抱えている。 その姿は時にみっともなく、身勝手で、痛々しい。 けれど、その弱さこそが人間らしくて胸を打つ。 誰かを忘れられないこと。 過去に囚われ続けること。 寂しさを抱えながら生きること。 それらは欠点ではなく、人が誰かを本気で愛した証なのかもしれないと、この作品は静かに語りかけてくる。 読み終えたあとに残るのは、「あの人は幸せだったのだろうか」という登場人物への問いだけではなく 「私は、誰を忘れられずに生きていくのだろう」 という、自分自身への問いもあるだろう。


かおり@6kaorin52026年6月2日読み終わった生と死の狭間。と、微かに漂う日常に潜む狂気のような。 久しぶりに読む小池真理子作品は研ぎ澄まされ、削ぎ落とされた文章という印象を受けた。 削ぎ落とされた文章でもって描かれる著者特有の耽美さ。その向こう側にある生と、死と、そして性と。異世界的でありながらも例えばお隣りさんで起こった出来事のような不思議さ。 「アネモネ」などは現実でニュースになったような、起こり得たような話。 「夜の庭」は個人的に川端康成を感じ、全体的には著者作品『玉虫と十一の掌編小説』を思い出させた。 静かな、夜の向こう側のような短編集だった。









