カオル "文体練習" 2026年6月20日

カオル
@kaoru951
2026年6月20日
文体練習
文体練習
レーモン・クノー
短い日記のような内容が99の文体で書き連ねられている 本書の原文はフランス語だが、フランス語ならではの表現手法(ラテン語訛りやフランス語による同音異義語等)が、確かに日本語に落とし込まれている様は、翻訳家の卓越性を感じさせる 99の文体はそれぞれ異なる印象を与えてくれる オーストラリア先住民族が扱うグーグ・イミディル語には「右」「左」等の主観的な位置を示す語彙がなく、客観的な位置概念「東西南北」のみをが用いられる。彼らは優れた方向感覚を持ち、常に正確な方角を知っているという 言語が身体感覚を規定するほどの影響を発揮する事例だが、単一言語話者の我々が、この意味での言語感覚を実感することは少ない 本書は、単一言語で多種の文体を示すことで、擬似的な多言語体験を作り出し、言語感覚を相対化する あと装丁が良い ひとつの事柄を伝える際の選択肢は常に計り知れず、それらが全て異なる意味を持つことは留意しておきたい
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