毛糸
@sUMAi_819
2026年6月20日
ときどき旅に出るカフェ
近藤史恵
読み終わった
図書館本
Readsで知った
Readsで知って読んだ本、第一号ではなかろうか。
書影が素敵で目に留まり、『タルト・タタン〜』シリーズの作者さんだ!となり、タイトルからもお料理小説(というジャンルがあるのか知らないが)っぽさが伺えて気になっていた。
リハビリ病院の近くに図書館があるのでリハビリ帰りにときどき足を伸ばして寄っているのだが、何度目かでようやく借りられた。
とても読みやすく、サクッと読めてしまうのだけれど、お話の完成度に驚かされる。
仰々しくはない、日常に潜むちょっとした謎みたいなものが、毎話さりげなく発生してきちんと解決するから素晴らしい。
あらすじを一見するとカフェの店主とまざまな異国の珍しい食べ物に迎えられて、暖かい気持ちになれるほっこりとした一冊、と思うかもしれない。確かにそれは間違いじゃない。
しかし、この小説はそれだけではないのだ。嫌なやつも出てくるし、しっかりとした「人生のビターさ」が描かれている。「謎」同様、派手ではないが、あまりにも日常に根ざしているがゆえに蓄積ダメージのように効いてくる、毒のようなほろ苦さが。
自分が主人公と同性で同じような年齢だからこそくらった部分もあるかもしれない。でも、そういうモノと向き合いつつも美味しいものを食べてやり過ごしている登場人物たちに無性に会いたくなって、再読したくなるだろうなと思う一冊だった。
