
たかせ
@takasen
2026年6月21日
言語化するための小説思考
小川哲
読み終わった
こちらのTLで見かけて気になって読んだ本。
この著者の小説は読んだことがないが、映画化された「君のクイズ」の原作者であるらしい。
想像していた内容とは書きぶりがちょっと違ったが、「小説を書く」ときに脳内で起きていることを、例を示しながらロジカルに説明してくれていて、なかなか面白かった。分析方法に若干クセがあるというか、「東大の人っぽい」説明(偏見だな、すみません。まだ適切な表現が思いつかない)。
「伏線」という言葉とそれによる評価が好きではない、という部分は頷けたなぁ〜。このところ著者の意図によらないようなところまで過大に「伏線」として評価されている印象があり、モヤモヤしていた。小説とはそのストーリーに関係のある描写だけを選び抜いて構成されるものであるから全てが伏線といえばたしかにそう。
私自身も小説を書いていた経験があるけど、自分の書きたいものと人の読みたいもの、自分の書いたものと読者の受け取るものとのギャップに苦しむことが多く、今は書くことから離れてしまっている。
この本で提示される「小説はコミュニケーション」「何を表現したいかより、読者がどう受け取ったかのほうが大事」という考え方には頷ける面もありつつ、耳が痛い部分が多かった。自分の作品がニッチなのはわかっているけれど、読者層の広さはともかくとして、届いてほしい範囲にはきちんと伝わる努力をもっとすべきだったのかなぁ…と少し反省した。今後また自分が小説を書くことがあれば、この視点を思い出したい。