
いちのべ
@ichinobe3
2026年6月21日
短くて恐ろしいフィルの時代
ジョージ・ソーンダーズ,
岸本佐知子
読み終わった
奇妙な世界、不思議な登場人物の造形、理不尽で変てこな展開、だけど寓話だからこそ胸に刺さったり、古今東西のありとあらゆる独裁者を想起する。
> 「私はフィルというキャラクターを、自分たちの敵をモノに貶めておいてから大手を振って抹殺しようとする人類の習性の象徴として書きました」とソーンダーズは語る。「この本は、世界を過度に単純化し、〈他者〉とみなしたものを根絶やしにしたがる人間のエゴにまつわる物語なのです。私たち一人ひとりの中に、フィルはいます」。(p142-143)
直前に読んだ本がベトナム戦争を戦った兵士の体験談で、作者の言葉はまさにその本で語られていた、戦争における人間の心性を示している。
そして自分も、意見の全く異なる〈他者〉に対して、そのようなエゴを示していないだろうかと考える。



