本読みの旅人 "人びとの社会戦争" 2026年6月21日

人びとの社会戦争
第4章 幸せとはなにか エロ・グロ・ナンセンスによる乱れの原因を、枠内にはめられてきた自身の役割から正に解放され、個々人の幸せを追求しようとする向きに求め、世間の掟に統治された世界を取り戻そうとする動き。昭和維新運動も農本主義も神輿担ぎも、耳触りが良い。権藤の世間至上主義的な発言も、民主主義のような内容にも聞こえる。 でも、結局は自分たちが今まで堪えてきた「世間の掟」から逸脱するのは許さない、ずるい、という感情が垣間見える。この他者に対する「ズルい」という感情は、今の世も同じで、例えそっちが良いと分かっていても、自分も不利になると分かっていても、他者を邪魔しようとする。 解放と引き締めは必ずバックラッシュを繰り返し、1歩進んで10歩下がる、みたいな感じなんだろうな。 誰もが与えられた役割から逸脱することなく全うする世の中は、とても機能的かもしれない。世間の掟に統治された世界は平穏に見えるけど、誰かが必ず虐げられているものだ。人権という概念を獲得した結果、「個人」を求めすぎているのか?と不安になるときもあるけど、誰も虐げられない世界を夢見ないと1歩も進めない。
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