
阿久津隆
@akttkc
2026年6月14日
読んでる
ミス・ジェニーがナーシサに向かって「お聞き」と言った。
p.409
「これからはもう、あの子と一緒にあの車に乗るんじゃないよ。いいかい?」
「ええ。そうしても、あの人をゆっくり運転させることなんてできませんから。何をやっても無駄なんです」
「そりゃそうだよ。うまくいくだなんて誰も信じちゃいないんだ。ベイヤードでさえもね。ベイヤードは、あの子本人と同じ理由で一緒に行くのさ。サートリスっていうのは、血なんだよ。ひとり残らず野蛮人さ。まるっきり、誰の役にも立ちゃしない」二人はそろって、跳ねる炎をじっと見つめていた―ミス・ジェニーの手は、まだナーシサの頭の上に置かれている。「巻きこんでしまって悪いと思ってるよ」
また涙がこみ上げて、目のふちが熱くなるのを感じた。やるせない気持ち。