
もちこ
@mochiko24724
2026年6月22日

ぬすびと
寺地はるな
読み終わった
かつてなぐも製菓の社長宅で子守の仕事をしていた鳴海。
社長夫人である彌栄子(やえこ)と、5歳の息子・栄輝と過ごした数ヶ月間。
お互いに大事に思うあまり、雇い主と雇われ人という関係性の一線を越えそうになる彌栄子と鳴海だったが、最後は苦い別れとなってしまう。
20年後に再会した彌栄子さんが、鳴海と離れた後の、どれだけ一人で戦ってきたか、どれだけ大変だったかを、その言葉や凛とした態度から感じ取ることができる。
親に振り回される子どもの気持ちは、大人目線だと「ごめん」しか言えなくなってしまう。でも、子どもたちに「大人は信じられない」と思われないように配慮する鳴海の心配りに、頬を叩かれた気がした。
大人だから間違えることも、ずるい嘘もつくことはある。
でも、鳴海のように、例え大人の都合で「ぬすびと」扱いされて追い出されようが、彌栄子のように「できない人」扱いされようが、その人が凛として生きていれば、その生き様から子どもや他人が受け取るものはきっとある。
そう教えてくれた本だった。



