ぬすびと

14件の記録
ちとせ@4wsdig2026年4月29日読み終わった不穏なタイトルとかわいらしい表紙でどんな話なのかドキドキしてた…寺地さんの本はほとんど読んでるけど、好きランキングの上位に入る!めっちゃよかった! 「さすが爵位を与えられるだけのことはある」とか「すみっコぐらしかよと思うぐらい端っこに寄っている」とか、ひさしぶりに私の好きな寺地はるな節が出てる!と嬉しくなった。 鳴海が南雲家に出入りしてパジャマパーティーなんかしちゃってたころ、本当にふわふわの夢を見てるみたいで、鳴海には大変な現実なんか何もなくて、住んでる世界の違いって言うものの実感もなくて、ただただ頼りになるお姉さんみたいに感じられてた。そこから宏海が補導されてからの急転直下感よ… でも暖の「おれは自分はきっと器の小さい人間なんだろうと思ってる、でも小さい器をたくさん持つことはできると思ってる」で己を顧みさせられた。私も器の小さい人間なので… その後宏海が順当に(きっと)器を増やしていい父親になってたの、本当に嬉しかった。 鳴海と栄輝の二度目の電話シーンには泣いてしまった〜「鳴海の言ったとおりだった。つまらないところだった」で決壊…鳴海と過ごした日々のぜんぶぜんぶ、栄輝にとっても大事な思い出だったはずなのに、まわりはそれを大事とすることを許さず、きっと栄輝自身もどう扱っていいかわからなかっただろうし、しんどかっただろうな… 読み終わって思ったのは、これは鳴海と彌栄子の絆の物語だったのだなということ。 二十年ぶりでも、時間は取り戻せなくても、いつだってまた始められるということ。 寺地さんでひさびさにめちゃくちゃ刺さったお話だった。


さくら🌸@lily_sakura_2026年3月31日読み終わった友情という言葉とも違う2人の女性の関係。傷つきながら歩いてきた人生を、こんな形で愛おしく思えるなんて素敵だな。「いつだって踊り出せる。」「傷こそが、欠損こそが、その人をその人たらしめる。」(p.191)寺地さんの作品は歳を重ねることに対する漠然とした恐怖とか、呪いとか、そういうものから解き放ってくれる。今作はより強くそう感じた。鳴海がちゃんと怒る人なのも良い。怒るということをせず、許すことができる人を「大人」としないでいてくれる。明るいとか、晴れやかとか、きらきらした物語ではないのに、春の日差しみたいに柔らかくて暖かい。鳴海の、子どもとの接し方も好ましかった。変に取り繕わず、大人同士と変わらない接し方をするからこそ、栄輝は心を開いたんだろうな。


結@yi_books2026年3月29日読み終わった決してプラスの感情だけではない関係性や感情を、美しいとしか言い表せない気持ちにさせられた。繊細な情景描写が複雑な人の心と、複雑な人間関係と絡み合って、少し震えた。 「傷こそが、欠陥こそが、その人をその人たらしめる。」
















