
octo
@mothmanoir
2026年6月22日
読み終わった
有名なフーコーによる「人間」の死に関する言説を、20世紀後半の生命科学、認知科学をはじめとする諸分野の発展に即してアップデートしようと試みている本…と取り敢えずはまとめられるか。
フーコーは「人間」の死は精神分析と人類学によってもたらされると述べていたが、それらの要素は認知心理学における二重過程理論において精緻化されている(意識と無意識、主体と構造という二つの処理システムの精緻化)、という話から本に引き込まれた。
このような例に始まり、広範な科学知識を丁寧にまとめる著者の情報整理能力はかなりのもので、自分のような古臭い文系脳の人間にもわかりやすく議論が展開されている。
書評からエッセイ、鼎談までありとあらゆるジャンルの文章が収められた雑駁な本という印象もあるが、その分著者の考え方の根底にある「新しい人間観」が伝わりやすくなっている。読後に、読みたい本がとてつもなく増えてしまうという点でかなり優秀なブックガイドでもある。

