DN/HP "怪談小説という名の小説怪談 ..." 2026年6月22日

DN/HP
DN/HP
@DN_HP
2026年6月22日
怪談小説という名の小説怪談 (新潮文庫 さ 98-1)
怖い本を読んだ怖い話。 昨夜読んでいたこの怖い短編集のなかの一編「笛を吹く家」は読んだことがあったんだけど、でもどこで読んだかまったく思い出せないからインターネットで調べてみたら、初出の雑誌もその後に収録されたアンソロにも全く心当たりがなくて。まさかこの短編集自体を読んだことがあるのか、読んだことを忘れて買っちゃう本もたまにあるしな、と一瞬思ったけれど他の収録作は覚えてないというか絶対はじめて読んだ感じで、と考えていくと小説から少し離れたところでちょっと怖くなってきた。 そんなことを別のSNSに投稿してみたら、好きな怪談作家の方が「いいね」してくれたのを嬉しがったあとで読んだ別の収録作で 「『涸れ井戸の声』なる物語は、この世の本の中を彷徨っているのではないか。そして読んだ人々をひとしきり怖がらせ慄かせると、また別の本へ移動するのではないか。」 ——「涸れ井戸の声」 などという一文を読んでしまえば、なるほど、そんなこともあるかもしれない。彷徨い続ける物語にまた出会ったということか、などと思ってみたくもなる。そうなるともしかしたら今あの短編のタイトルを検索したとしたら、また別の掲載誌、アンソロジー、あるいは短編集が出てくるかもしれない。それは流石に怖いな。 一旦この短編集から離れて落ち着くか、と昨日noteに書かれていた記事をみかけた日本文学の短編を読んでみることにする。その短編が収録された文庫本を手に取って目当てのページを探してペラペラとめくっていると、今、一瞬、件の短編のタイトルが目に入った気がした。震える。流石に気のせいか、いや、でも、と思いながらも本を閉じて、身体から遠ざけるようにデスクの上を少し奥に滑らせる。 というこの上の文章の後半は嘘だし蛇足でもある気がするのだけれど、こんなことを考えてみるのもわたしの読書の仕方で、怖がり方で、やっぱり読書はチャンスミーティング。OK。今日もまた良い読書体験が出来た。 ちなみに収録作では件の短編ではなくて冒頭に収められている「高速怪談」がいちばん好きだった。シュチュエーションに怪異、ミステリ的な要素、人のヤダみまでもバランス良くハマっていて、とても良かった。
怪談小説という名の小説怪談 (新潮文庫 さ 98-1)
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved