
しがない
@ooe
2026年6月22日
文明の生態史観
梅棹忠夫
読み終わった
なるほど。こういう本か……。外山滋比古と同じ匂いを感じた。あちらよりはまだ新鮮味がありおもしろかった。というかこの著者『知的生産の技術』のなんだ、通りで……。
80頁くらいまではエッセイとして楽しく読めた。アイデアや視点、発想がおもしろい。また最後の章、宗教をウイルスと同じ視点で見るアイデアはなるほどなと思えた。
ただその間の約220頁は読むに耐えない。80頁を超えると第二章に入るのだが、第二章はエッセイよりも評論みが強くなる。評論みが強くなるくせに文体はエッセイの引き継ぎであり、要するに文章にかな文字が多いままなのである。エッセイにかな文字を多様するのは読みやすく分かりやすくていいのだが、評論にかな文字を多用されるのは逆に読みにくく冗漫に感じてしまう。そのせいで思考がスローになってしまう。
またこの本で繰り広げられているのは理論や理屈ではなく、机上論である。アイデアや発想は著者のフィールドワークから得られたものだが、そこから展開される理論はあくまで空想の範疇をでない。根拠が薄弱で、あまりにも内容が薄い。
「この本は日本の文化人類学のハシリである」と言われれば、まあそれには頷くしかないのだが、しかしこの時代の他の新書(岩波"新書"の青や緑)と比べると、本書はそこまで素晴らしいものとは思えない。
なるほど、小学生やそういうものに慣れていない人が読むとおもしろいと感じるのだろう。
第一章は一読の価値がある。
