
伍エ捫
@Goemon_VS
2026年7月25日
舟を編む
三浦しをん
読み終わった
素敵な限定カバーに抗えなかった。
限定カバーに惹かれて衝動買いした御本だけど、デザインの意味を知って余計にカバーが好きになった。
読んだばかりの夏目漱石さんの『こころ』が作中で取り上げられていて嬉しかった。
三浦しをんさんの文字と文章への想いが詰まっていて、言葉や文章がさらに好きなった。
登場キャラクターが各々個性的で魅力に溢れており、掛け合いが面白い。また、一つの辞書が完成するまでの過程を複数の視点で描いていた点も面白かった。
辞書の刊行に携わる人々が、人間の思いが詰まった言葉と、それに情熱を注いでいる人に触れて、自らの価値観を見つめ直していく姿に自分も心を動かされた。
複数の人が集まって一つの物事に情熱を注ぐ姿は、分野を問わず眩しい。
「投入した麺をほぐすがよい」「卵、ネギ、ハムなどお好みです」みたいな、いかにも外国人が綴りましたといった日本語は自分も好き。通販サイトでよく見かけるやつ。
品質面に不安があるから購入は控えるけど、不得手なりに一生懸命綴ったのが伝わってきて、微笑ましい気持ちになる。
何気なく話題を振ることを「空いたスペースに観葉植物を置くような」と表現されていて、凄いなと思った。
空間が寂しいからといって、誰もが「じゃあ観葉植物でも置くか」となるわけではない。一見すると軽薄で無神経だけれど、その実ちゃんと口にする言葉をしっかり考えている西岡の性質が詰まっていると思う。
何気ない一文なのに、情景描写と人物描写の両方を担っていて印象的だった。
解説の最後で述べられていたように、楽しいお話だった。買って良かった。
