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@FELTz75
2026年6月24日

読み終わった
かつて読んだ
audible
何年か前に読んで、そのときの鮮烈な印象は残っている。
オーディブル版もいいぞと勧められて再読。
最初に読んだときにいかに読めていなかったかを突きつけられた感があった。
というか、今だからこそ鮮烈な印象にとどまらない切実な苦しみがわかった気がした。
環境によって身についた処世術が生き方に強く影響して、それゆえに大人になって苦しむ様。
じゃあその過程で彼の問題に誰か気がついて助けられたのか?彼自身で変わることはできたのか?
チャンスはあったかもしれないけれど、難しかっただろうと思う。
名前のある問題ではないから。
強いて言うならば、大切にされ、尊重された実感が乏しいまま大人になってしまった。
それでも、友人や文化との出会いが救いになりうる可能性はあった。
しかしそうならない不運もあった。
苦しみを経つつも、幼少期の出会いとその後の再会、生活を成り立たせエジプトに行けるだけの経済的基盤を支えた巡り合わせ、苦しみの源泉の一つだった姉からの言葉などから、自分の生き方を見つけ直した姿、これらが彼の問題の原因となったものから生じているのもまた人生の難しさだなと思ったり。
ここまで極端ではないにせよ、子どもの頃の体験から生まれた屈託が人生に影響することって、すごくあると思う。自分にもある。解決したものも、まだしていないものもある。
これが名前のない苦しみで、まだ名前はないけれど、存在することを認識できたことは救いだなと思った。
姉視点での話を小説ではない視点で読んでみたい、というのは職業病かな。
松坂桃李の朗読が素晴らしい。この声だけでも聞く価値がある。

