
和月
@wanotsuki
2026年6月25日
ありか
瀬尾まいこ
読み終わった
あたたかい日差しを浴びた時のような、やわらかい希望をもたらしてくれる物語。
子ども達の健やかな幸せを真摯に願う大人たちが沢山出てきて、読んでいて心が穏やかになる。
美空や颯斗達はそれぞれ子どもの頃に色々な傷を負っていて、その苦しみを経たからこそ、ひかりや次の世代の子どもたちの未来を守ろうとする。自分の娘を育てていく中で自分と母の関係性を見つめ直して、周囲の人々との出会いを通して段々と成長する主人公の姿がじっくりと描写されている。
母との確執が描かれる場面は心がざわざわするけれど、美空の周りは皆優しく親切な人が多くて、彼らとの日常の描写は柔らかい読み心地に浸れる。大人たちの真っ直ぐな慈しみの中で成長するひかりの愛らしさもまた、物語の魅力。ランドセルを選んだ理由の場面が本当に可愛かった。
ここでは描かれていない子育ての苦労は計り知れない程あるだろうけど、それでも、ひかりがいなければ生きる理由がないと考える美空の母としての愛に胸打たれた。実際に親になってみてはじめて分かることも多いだろうけど、もし私が次世代の人を育てる立場になるとすれば、美空や颯斗みたいな存在になりたいと思う。
他の方の感想で気付いたのだけど、全ページ数が366ページで、春夏秋冬の章立て含め作品そのものが光と美空と颯斗の一年を表しているように思えるのも素敵。
最後まで、優しくあたたかい物語だった。



