
とてと。
@sunsun-
2026年6月17日
光のとこにいてね
一穂ミチ
読み終わった
二人の少女が成長して再会する物語。
互いにないものを持っているからこそ、二人にとって相手は『宝物』だったのだと思う。
胸の奥にそっとしまい込み、ふとした瞬間に取り出しては自分を支えるおまじないのような存在。
この作品では、生まれた環境によって形づくられる性格や価値観、容姿までもが対照的に描かれていた。
それぞれが自分の置かれた環境に縛られ、息苦しさを抱えながら生きている。それでも、幼い頃に感じた胸の高鳴りや世界への憧れを、もう一度思い出させてくれる不思議な力があった。
「光のとこにいてね」
その願いはいつも相手に届かないままなのに、それでも願わずにはいられない。
ただ幸せでいてほしいと願うのは、恋とか友愛と呼ぶには軽すぎる。まさしく愛情だ。
相手の幸せを祈ることしかできない距離があるからこそ、その想いはより純粋で、より切ない。
二人は互いを救えなかったのかもしれない。
それでも、人生のどこかで確かに相手の存在が支えになっていたのだと思う。
だからこの物語は再会の物語であると同時に、一人では抱えきれない孤独を、誰かとの記憶がそっと照らしてくれる物語でもあった。