
苺月
@moon_tea
2026年6月26日
さがしもの
角田光代
読み終わった
昔持ってたけど売ってしまった本、おもしろそうなのに読んだ記憶がなくて、なんとなく買い戻した。
ひとつ目のお話に覚えがあって、途中までは読んだのかなぁと思いつつ読み進めていたら、どのお話もうっすらと記憶が残っていて驚いた。
収められた短編はどれも本にまつわるお話だ。
昔売った本と旅行先で再開したり、目当ての本を古本屋で探しまわったり......
本の内容もあいまって、再び再会した本作と過ごす時間は特別なものとなった。
たぶんまだ学生だったときの自分は、どんなことを思いながらこの本を読んだのだろう。
いつのまにか本作の主人公たちと同じような年齢になってしまった。
古本を買うと、前の持ち主の痕跡が残されていることがよくある。
その本を買ったときのレシートが収納されていたり、栞にしていたのか、お菓子の包み紙が挟まれていたり......
人の気配を感じる分、大事にしなきゃ、と、新品の本を読むときとはまた違った、責任感のようなものを感じることもしばしばだ。
自分が手放した本たちも、だれかの手に渡りながら旅をしているのかな、と想像すると楽しい。
本を恋人に見立てたあとがきのエッセイも心に残った。
合わないと思った本でも、時間が経てば好きになったり、自分の好みが変わることだってある。
いつかは整理しないといけない、増える一方の本たちを手放すことが惜しくなってしまった。
また10年後くらいに本作を読み返してみようと思う。
主人公たちの年齢を追い抜いた自分が読むとどんな感想を抱くのか、とても楽しみだ。





