
晴
@nekono_hone
2026年6月26日
PRIZE-プライズー
村山由佳
読み終わった
小説が好きな人は是非手に取って読んで欲しいと思った。
作者の村山由佳さん自身、直木賞の受賞経験があるからなのか、作家の心情や出版社のリアルが描かれていて、読んでいてとても面白かった。
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今の時代、承認欲求を出せば何かと小言を言われたり、冷笑されることが増え、「 承認欲求を出すことは性癖を晒すのと同じくらい恥ずかしいこと 」だと私は思っているのだけれど、天羽カインは堂々と「欲しいものは欲しい。なんとしても自分を認めさせたい。」と躍起になっていて、輝いて見えた。
一部の人にはヒスババアのように映るのかも知れないが、自分の欲を素直に受け入れ、そのためなら一切の妥協を許さない姿に人としての強さを感じる。羨ましい。
直木賞という1つの賞にかける天羽カインの熱意や、時に恐ろしくも感じてしまうそれが堪らなく愛おしいなと思った。
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天羽カインと担当編集者である緒沢千紘の関係性をみて、やはり仲が良くてもある一定の距離というものは保たないといけないと強く感じた。
境界線が曖昧になってしまうと、視野狭窄に陥ってしまう。
そうなってしまってから元の関係に戻るのはやはり難しいので、お互いに心地の良い距離感で関わることが大切だなと思った。大事な人だからこそ。
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1冊の本が完成するまでの工程、受賞作品を選ぶまでの過程、編集者の技量や情熱が余すとこなく書かれていてスラスラ読めた。
完成本が天羽カインの手元に届き、初めて目にするシーンがとても印象に残っていて、読みながら同じように私も胸の裡が幸福感で満たされ、とてもドキドキした。
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『 子どもの頃から、いったいどれだけ紙の本に救われてきたか────読みながら主人公と同化して怒りに震えたこともある。涙でページがふやけた日も、読み終えた本を抱いて眠った夜もある。それは電子書籍では叶わない。かすかにきなくさいような古い紙の匂いを嗅ぐこともできないし、ざらりとした手触りや分厚い重みに励まされることもない。折々の自分が胸に抱きしめていたのは、ページの中に広がる果てしない物語世界であったと同時に、〈本〉という実態を伴った宝物だったのだ。 』



