PRIZE-プライズー
249件の記録
ぴよみ@erim_05212025年11月24日買った読み終わった★★★★⭐︎ どうしても直木賞だけが獲れない超人気作家と編集者が直木賞受賞を巡って構築される関係性を描いたストーリー。 自分の作品に同じ熱量を求めるがあまり、時には行き過ぎた言動をする天羽カインに、最初は嫌悪感を抱きながら読み進めていったが、徐々に編集担当の提案や指摘を素直に受け入れ始めていく姿に彼女成長を感じつつあった。最後どう着地するのかと思ったが、後味の悪さはなくまとまり、読後感はスッキリしたという感じ。 この作品読み進めながら、途中からカジサックと照らし合わせていた。 カジサックはよく「チームカジサックはファミリーである」「自分と同じ熱量でチャンネルを愛してほしい」と言う。みんなリーダーの想いに従って取り組んでいくものの、やっぱり自分の作品や企画とそれに協力する者との熱量の差はどうしても生まれるのだと思う。 その差についていけない、もしくはその差を縮めようとするが故に拒絶されたときに、全てどうでも良くなってしまうんだと思う。 企画者と協力者、そこには一定の距離が必要というのは、わかってるようで案外忘れてしまっていることなのかもしれない。 その距離感をうまく保ちながらも、チームの士気を高められる人こそ真のリーダーになるのだろう。- 綾鷹@ayataka2025年11月3日出版業界を描く小説。小説出版の裏側、賞の選考方法等がよくわかった。 天羽カインは感情剥き出し、なぜこんな言葉を言えるんだと最初は思っていたが、いい作品を出すために努力を惜しまない、自分の欠点にも向き合う姿勢に、途中からはなんとか直木賞が取れますようにと応援したい気持ちになった。 自分の気持ちを大切にして行動した結果の、最後の天羽と石田のやり取りが快い。 承認欲求とは悪いものというイメージがあるが、誰にでも承認欲求はあるし、正しい方向に力を向かわせることができたらそれは悪いものではないと思えた。 ・それに私、あの子たち二人が愛おしくて、哀しくて・・・・・ほんとうの悪人なんて一人も出てこないのに、なんでこんなにうまくいかないんだろう、なんでみんなこんなに傷つかなくちゃいけないんだろう、だけど人生って、生きるって、きっとそういうものなんだよなあ・・・・・って。 ・自分はこのひとに恋をしているのだろうか、と思ってみる。 そう、なのかもしれない。肉体を伴う欲望とはだいぶかけ離れているけれども、このひとにとっての特別でありたい、唯一でありたいと願う心は、すでに火照って焼けつくようだ。それを恋と呼ぶのなら、どうぞ呼んでもらってかまわない。 ・どうしてもこの賞が・・・・・直木賞が欲しかった。私の書く小説は、ただ面白いだけじゃない、ただ感動できるだけじゃない、何かもっと大きな値打ちのある立派な文学作品なんだと、世間に認めさせたかった。これまで私を何度も候補にした文藝春秋や、何度も落とした選考委員を、実力で見返してやりたかった。いつか必ず受賞して、何よりも自分で自分を認めてやりたかったんです ・たぶん彼女の言うとおりなのだ。書き手と伴走者はどこまでも共に走ってゆける。地の涯までもゆける。が、度を超えて同化してはならない。脚がもつれて共倒れになってしまう。


もちこ@mochiko247242025年11月2日読み終わった直木賞を渇望する作家・天羽カインと、担当編集者・緒沢千紘、石田三成の3者の視点で描かれる。 作家のプライドも、編集者の努力も、直木賞に関わる人たちの苦悩も、色んな人たちの大変さが伝わってくる構成で、いつしか「天羽カインが直木賞を獲れますように!」と応援している自分に気づく。 作家と担当編集の近すぎる信頼関係にハラハラする場面もあり、恐れていたことが現実になってしまう恐怖もあり、だからこそ、最後の最後は思わずガッツポーズをしてしまう高揚感を得られる。 これを、直木賞作家の村山由佳さんが書いたということが、ある意味恐ろしく、心が震えてしまう。
もちこ@mochiko247242025年11月1日まだ読んでる294ページまで。 天羽カインと担当編集者・緒沢千紘の関係がどんどん濃くなっていく。 仕事上の信頼関係だと思いつつも、互いに妄信する様子にハラハラしてしまう。 「全てを投げ出して信じる」という行為に、私は恐怖を感じる。 二人が素晴らしい作品を作り上げることに、成功しますように。

もちこ@mochiko247242025年10月25日まだ読んでる88ページまで。 子どものスイミング教室の待ち時間に読む。 まとまった時間に一気に読みたい本だなあ。 だけどここ最近の忙しさでは、そんな読み方は難しい。 図書館本なので返却機嫌は待ってくれない…タイミング…悲しみ。 面白そうな予感がひしひしするのに〜!

もちこ@mochiko247242025年10月22日読み始めた60ページまで。 仕事が立て込んでいても、本は読みたい。 通勤時間を使って読む。 前評判通り、おもしろそうな雰囲気。 天羽カイン先生のバチバチな感じにワクワクする。怖いから、一緒にいたくはないけれど(笑)




yayano@yaya72025年10月16日読み終わった売れまくっている作家の、直木賞への執着。ところどころ実在する作家や「こういうことあったな」と世間の記憶を挟み込んでくるところがさすがベテラン。作家の毒舌がキツかったな。作家と編集者が同一性を孕んでいく描写にゾクゾクした。ラストはさらにぶっ飛ぶかと思ったけど、きれいにまとまった。



にこまま@nicomum_reads2025年10月14日読み終わった図書館で借りた編集者の視点で作家との関係を描くところが新鮮だった。作品の裏側には、作家だけでなく優秀な編集者の存在があるのだと感じた。千紘がカインに告白してからの展開は本当にスピーディーで、ページをめくる手が止まらなかった。創作の現場の緊張感と人間ドラマの両方を楽しめる一冊である。

らむれざん@rumraisin2025年10月14日読み終わった一種の小説論みたいなのも兼ねてる作品だと思った。小説読んでる時、私は何を読んでるんだろう。作家の言いたいこと、ちゃんと読んであげられてるのかな?

- オイラくん@oira-kun2025年10月6日直木賞をどうしても獲りたい女性人気作家の承認欲求と矜持、そこに関わる編集者たちのお話。 パワハラ気質のある性格は良いとは言いがたい天羽カインを主人公に据えて、なかなか共感しにくい部分はあれども面白い話でした。共感がなくても面白い作品にいくらでも仕上げられるんだな。 編集者の千紘ちゃんの、「テセウスは歌う」という作品を作り上げていく過程で関係性が密になっていき、神=作者のことばを身におろす巫女のような感覚になっていく危うい姿は本当にヒリヒリする。




Pipi@Pipi08082025年9月28日読み終わった#読了 #村山由佳 ⭐️PRIZE プライズ 面白い!面白い!面白い!サイン会の現実、出版界のリアル、 直木賞の裏側、作家と編集者の関係性。ここまで書いてもいいの?と思いながら一気読みした。天羽カイン、格好いいな。作家の執念と心意気を感じた。桑原教授、粋だね!🐥🐥

おとわ@mofbook2025年9月27日読み終わった@ 自宅あんまり面白いのでいっきに読まないよう耐えながら読了。 久しぶりに読むエンタメ小説、面白い!という感情だけで世界にグイグイ引き込まれる感じはやっぱり定期的に味わいたい感覚。 出版界の片隅にいる私に、直木賞の舞台裏や、作家と編集者の生み出す本への想いなどは興味津々で本当に楽しかった。興味深さだけでなく話の展開も面白くて、予想していなかった方向に進んでの素敵な結末。面白かったなー!とにこにこ。 余韻が残るとか感慨深くなるみたいな本ばかり普段好んで読んでいるとたまにこういうスカッと面白い本がめちゃくちゃ読みたくなる。そんな欲望を叶えてくれた一冊。おすすめできる〜! あと登場人物の名前がけっこう近くて、実在するあの作家さんでは…?と思いながら読めたのも面白かったポイント。絶妙。
おいしい水@oisiimizu05202025年9月21日読み終わった世界観に序盤からグイグイ引き込まれあっという間に読み終えました。キャラ設定もしっかりしててセリフにも違和感が無く、さすがベテラン作家さんの作品だなぁという印象。面白かったです
- くじら@shachi-92025年9月13日読み終わった私自身、毎回楽しみにしている直木賞を主題とした物語。 直木三十五に至るまでに歳を重ねて改名していったのは面白いと思った。友人に怒られたのも含めて。 天羽カインの感情的な様が文字を超えて想像出来た。その表現力に引き込まれて読むのを止めるのが難しかった。(仕事中も読み進めてみたり)




サキ@__oreirosky2025年9月12日読み終わったどうしても直木賞がほしい作家の話って掴みからして最高って思っていたけれど噂に違わず面白かった。直木賞がほしい作家、というよりは直木賞がほしい作家とその編集者の話ってかんじ?はじまりでは千紘がこんなにも物語をかき乱す側になるとは思わなかったな。 カインの自分の作品を我が子のように思うが故に、それに見合った出版社側の対応がないことに対する怒りや不満が出てしまうのはわかる気がする、周囲を不快にさせるまではしなくてもいいと思うけれど。それはどの作家でも少なくとも同じ、というか「大切に扱ってほしい」とか「売れるように尽力してほしい」っていう思いはあるだろうけれど、こんなにも日々新しく刊行される本が溢れているなかで、出版社や書店、読者はどれほど一冊一冊を大切にできているんだろう……なんて思ったりもした。それは、これから自分がバイトながら書店員として働くからというのもあるかな。果たしてわたしがこれから働く書店では、どれだけ一冊一冊を大切に届けられるんだろう……という不安があるのかも。でも、一方で編集者にはなれない、と思った。就活時は大手を受けたりなんかしていたけれど、わたしには到底務まらないや、なんて千紘や石田を見ながら思った。 きっとたくさん出版まわりのエピソードが散りばめられていると思うんだけど、ほとんどわからずで……市之丞とか誰かモデルになった人いるのかな〜そのあたりが気になる。
読書猫@bookcat2025年9月10日読み終わった(本文抜粋) “物書きなんて、と、背表紙の列を眺めながら思った。本を読まない人間からすれば、この世に存在しないも同然だ。“ ”「ねえ、作家にとって何がいちばん怖いかわかる? 周りにいる誰も、ほんとうのことを言わなくなることだよ。書くものが適当に面白くて、しかも売れてたら、誰がわざわざ嫌われるようなこと言いたがる? 私、裸の王様だけはイヤ。井の中の蛙はもっとイヤ。嗤われてるのに自分だけ気づいてないなんて、死んだほうがまし。だからお願い、約束して。他の誰が知らんぷりをして黙ってても、千紘ちゃんだけは私にほんとうのことを言ってくれるって」“ ”「そういう流行りの題材を滔々と語るのって小説のやることかしら。ドキュメンタリーのほうがよっぽど伝わるんじゃない? 傷ついたり苦しんだりしている人物にいかにも寄り添っているふうな視点のとり方をなさってるわよね。それをテレビドラマのようだと評する委員もいたけれど、私に言わせればその言い方はテレビドラマに失礼だわ。今時のドラマはもっと洗練されている。だいたい、辛くて悲しい話を書くのに、作者が先に泣き出してどうするの。登場人物それぞれを冷徹に突き放すくらいでなくてどうするの。寄り添うどころか行き過ぎて同化してしまうから、会話も地の文も説教くさく響くのよ。あれこれ理由づけしないと人の不幸ひとつ描けないんだったら、それはあなたの筆が足りてないだけ」“


夏しい子@natusiiko2025年8月29日読み終わったとても面白かった。 天羽カインは好きだったけど、やたらと「恥をかかされた」とそんなことばかりに腹を立てるところは、どうなんだろうと思った。 だからこそ、盗作を疑われて好き勝手噂されたことに対しての怒りが少ないように感じた。 直木賞に落ちることより、やってもいない盗作を疑われる方がはるかに恥ではないのか。 そして藤崎の見方を千紘主観ではない目線でももっと描いてほしかった。千紘目線からの見方だけで合っているのか、そうではないのかそれを読みたかった。 だからこそ、もっとこの物語を読みたかった。



成功者の味方は怠慢な他人@No_Read_No_Life2025年8月26日読み終わった直木賞受賞を目指す女性作家と編集者達の物語。登場人物達の言動は特にそれぞれ自分の立ち位置と理想のギャップによるものが多いと感じた。また、今年の上半期起きた芥川賞直木賞ともに受賞作無しを思い出し、仮に同じ状況がここ話の世界でも起きたならばどんな風になったのだろうかと想像させられた。 2000円

- 1140k@FELTz752025年8月24日読み終わったaudible初めから終わりまで、ずーっと怖くてゾクゾクしていた。ストーリーが面白いのは間違いないけど、天羽カインというキャラクターは近くで観察するには極上の素材なんだと思う。本当にいたとしたら知り合いになりたくはないけれど…。この人とあの人にモチーフがいるとしたら、それはそれでさらに怖い話になるけれども。




うさもみ@usausa132025年8月24日かつて読んだ読書日記シスターフッドでは全くない。「何かを手に入れるには、優しさや結託 そんなお綺麗なもの笑わせる。もっと泥くさく欲しなさいよ」って現実を見せられた読後感。 これが私にとって初、村山由佳さん本。 主人公が小説家なだけあって、毎年直木賞を選ぶ過程である出版社、編集者、書店の内情がかなり細かく書かれていてびっくりした。 本が好きな人、関わっている人ほど驚くんじゃないかな。 あと実在の作家が何人か名前をもじって出てくるので「あの人かな…」と想像してみたり笑 女性編集者の千紘が担当の天羽カインにどんどんのめり込んで言って「編集者」と「作家」の境界線がなくなっていく。読んでいるこちらはそれに気づいているけど本人は無自覚。その気持ちの変化がかなりリアルだった。


とーひろ@kajihirorz13162025年8月23日読み終わった怒涛。取り憑かれた作家と編集者。思ってなかった展開で面白く読めた。文学の世界はたくさんの人と思考、欲望が渦巻いている。リアルなのは描写だけでなく、登場人物の名前も。本当にこれ書いていいんだろうかと思った。

ましゅまる@mashu-maru2025年8月11日読み終わった自分の書いたものへのプライドは確かにあるのに、なんらかの形で照らし返してもらいたいという欲望が沸々と湧いては私を苦しめているのだ、的な話をしたら友人に「読め」と言われた こんなに苦しみながら物語読んだことはなかったかも でも大層面白い読書体験だった
パン·オ·ショコラ@mihowata11222025年7月31日audibleどうしても直木賞が欲しい、作家の生き様をみた作品。 すごい。業界のことはよく分からないけど、キャラクターたちのリアルさやストリーテラーの秀逸さ。何よりも、直木賞に向かってひた走る作家、カインの情熱…(執着とも言うのか)。耳で聴いた本作だけど、目で追って読むとまた迫力がありそう。 実写化希望…!


タナカ@tnk2025年7月19日読み終わったAudible3日前くらいに読了してたけど記録忘れてた! わりと今回描かれている世界に親近感を覚えるところで生活をしているので、かなりハラハラドキドキ手に汗握りながら読んだ😂 ホラー作品を楽しむのが下手くそな自分ですが(怖いとこであんまり怖がれない)、この物語は怖がるポイントが個人的にいっぱいあってしっかりゾワゾワしました😂 何回も「健全な距離感!!!!!!」って叫んだ。心の中で。あと作家が直に出版社上層部に意見述べる状況とか、売り上げぜんぶ見せなさいよ!とかのシーンなんかも。一番怖かったのは終盤の例の事件に違いないけど……。 でも天羽先生、ちゃんと努力の人で読者ファーストだから、結構無茶な言動多いのに嫌いにはなれないなあと思って読んでたな〜。 カッとなりやすかったり、楽しくしてたと思ってたらいきなり詰めモードに切り替わるのは勘弁願いたいが〜!! そんな天羽先生と岩盤浴に通う仲にまでなれちゃう千紘は本当に色んな意味でヤベー!!!! 最後まで読んで、「許さない」を選択してそれを伝えたあの人の決断に良かったあという気持ちになった。事件を起こしたのには精神状態が関連していたし、そういう状態になった大元のきっかけ自体は本人全く悪くないことだったし……。再生・修復の予感がする終わりなのがとても良かった。 朗読で読み切っちゃったけど、紙本も買いました✌️ 数ヶ月置いて再読したい。

リシターモ@risitamo2025年7月12日直木賞が欲しくてどうしようもない大御所とそれに巻き込まれる人々の話。人気があるのになぜ受賞できないのか、その理由を知っている直木賞作家だからこそのリアリティ。閉じられた関係性の中、歯止めが効かなくなる狂気までの過程は、実体験ではないかと疑ってしまうほど。



ちゃのき@chanoki2025年7月10日読み終わった最高だった!小説に本気であるからこそなぜ売るために本気にならない?と書店員や編集者を詰める天羽カインの激詰め描写の解像度の高さよ…。本当に胃が痛かった。仕事に真剣だからこそ相手にも本気を求める人って多いけど、その熱量や真剣さは大事で褒められるべきことでもあるから、どれほど苛烈でも私には憎めない…。カインのこと、普通に尊敬しちゃうもん…。でも会社員の立場ではそこに完璧に応えることはできない。その一線があるということを千紘が壊れていく過程と石田との対比を通して書いてくれて、会社員の立場としては救われた気持ち 千紘は決して元から狂気的な人だったわけじゃないよね。こちらは本気なのだから、そちらも本気の仕事をしろと求められたら、自分が責任を背負わなければと思ったら、人はこうなり得ると思う。わかるよ本当に。カインが自分が書いた小説を守り、あれほど執着していた直木賞を自ら手放した途端にあれほどカインを軽んじていたのにズルズルと別れられずにいた夫とスパッと離婚できたのは良かったな…。承認や周囲の目とかよりも自分を大切にする選択ができるようになったということかなと思ったので。

午睡@gosui__zzz2025年7月5日読み終わった村山由佳さんの『PRIZE』かなりおもしろかった!!!所謂「承認欲求」と呼ばれるものは誰もが持ち得る一方で自分が他者のそれを肥大化させる一因になってしまってはいないか?と自問自答しながら読んだ。天羽カインが直木賞を渇望するあまり傍若無人に暴れまくるのには、関係性の不均衡や文壇の権威に阿る雰囲気、彼女に向けられる眼差しなど様々なものがカインを覆い尽くして呪いと化しているからかもしれないと思った。自我を保つことこそが自分の欲求を受け止めるためのバケツの底を強化してくれるものだと思うとなりふり構ってられないよね、、、。他にも、生身の人間を崇めること自体に加害性を帯びていることを自覚せねばと思いましたぜ。村山さんが痒いところにガンガン手突っ込んでいくもんだから、こっちは「ほんと勘弁してくださいよ〜〜。」ってうろたえてしまう。我々人間がひた隠しておきたい心のうちに抱えた欲求を徹底的に描き切る胆力が最高にクールでした。


空色栞@reads_2025032025年7月3日聴き終わったaudibleで配信開始された。 面白かった! 小説家で一本で食べてる人はほんの一握りで、その小説家にとって直木賞は人生を変えるほどの賞で、喉から手が出るほど欲しいもの。真偽はともかく賞の裏の事情が描いてあり、真に実力のある人が受賞を逃す場合もあるのかとふと考えたり。天羽(あもう)カインが待ち会の後に、なぜ落選したのかを問うシーンは読んでるこっちも凍りつくような空気を感じた。
- 夕顔@styg2025年6月29日読み終わった個人的に読みやすい文庫本になるまで待ちたかったけど待ちきれずに買って読んだ 買ってよかった、読んでよかった、おもしろかった! 激重感情浴びられて最高だった〜


エマ子@emma-05082025年6月27日読み終わった面白かった!久々に村山由佳さん読んだけど、やっぱり面白い。湿度高めでヒリヒリした緊張感がある人間関係を描かれるのが本当に上手いなぁ。 カインと千紘の狂気がすごい勢いで共鳴していくのがめちゃくちゃ不穏で怖かった。そりゃ常識人の石田さんは戦線離脱します。 これは実写化してほしいかも。カインが出版社の皆さんを高級中華で激詰めしてるところ見たいし、大御所作家にこてんぱんにされるとこも見たい。生身の人間が演じたらどうなるのか気になるし、さらに本が売れるきっかけになってほしい。





雫@sukinamono2025年6月3日読み終わった怖かったよ〜。途中嫌な予感がして続きを読むのが怖すぎて、でも気になりすぎて突き進んでしまったよ。 この怖さはなんていうんだろう。わたしが書店員だから怖いのか、本を読むことを愛しているから怖いのか。 「天羽カイン」という小説家を中心に物語は進む。この小説家、あのかの有名な直木賞が欲しくてたまらず、周りの編集者や審査員の大作家たちを巻き込んで大暴れする。 これだけ聞くと「賞が欲しいんなんて浅ましい」って感じてしまうけど物語を読んでいるとカインが自分の小説をそれこそ子供のように大切にしているからこその言動だとわかる。まぁ途中、自分のアホな夫をギャフンと言わせてやりたいから獲りたいんじゃないのか?と思ってしまうけれど。この夫がまぁムカつく奴なんです。わたしもコイツを黙らせたくてもう直木賞獲ってくれ!って願ってたもん。 そして編集者の千紘ちゃん。カインが異常なほど信頼して、その信頼に千紘も答えていくんだけどもう、もう、勘弁してください〜!って叫びたくなるほど編集者としていきすぎた行動をしていて。 それがいい作品をカインと作るため、という気持ちが原動力になっているのが余計…。いい作品ってなんだろう。作者が紡いだ物語全てが正解なんだろうか。わたしが今追いかけている一文、いや、一文字一文字に相当な想いがこもっていることに気づいてなんだかこの物語の重さが増したよう。 一時期は出版社への就職を目指して就活をしていたわたしだけどあの時落としてくれた出版社よ!ありがとう!とお礼を言いたい気持ち。わたしには到底背負いきれない。作家から出た一文を一文字も削れやしない。 より一層、書店員として、全ての本を大切に誰かに届くように売りたいと思いました。



ワ@medetiais2025年4月30日読み終わった作品は我が子、というワード 何度も出てきていたのだけど最後の方になってンンンと思った 狙われていたのだろうと思うし自分の仕事柄もあるのだろうと思う
TOMOCK@To_mock2025年4月22日読み終わった村山由佳さんの「二人キリ」が強烈で良かったので、書店店頭によく置いてあるこの本も読んでみました。主人公の女性作家も編集者たちもみんな曲者揃いで、自分の想いを吐露する部分は毒もたくさん吐くのだけど、なんだか嫌な感じがしない。みんな作品のために真っ直ぐだからなのか。後半からちょっとホラーというか、ミステリアスな部分もあったり。ドロっとした感情が出てくるけれど、最後なんだかスッとした思いで読み切りました。 わたしは本屋大賞や直木賞より芥川賞受賞作品を読む事が多いのですが、直木賞も気にして読んでみようかなとこの本をきっかけに思いました。


ロッタ@rotta_yomu2025年4月18日読み終わったこわいよこわいよこわいよ!! 直木賞に取り憑かれるカインも小説に取り憑かれる彼らも。 商業小説というものが、どんな過程を経てわたしたちの手元に届くのか、直木賞というものがどんな選考過程を経ているのか、その裏側がこと細かく書かれている。 村山先生いいんですか...? カインは切望する。 欲しいのは直木賞なんだと。欲しいのは、「売りたい」ではなく「優れた文学」に与えられる直木賞なんだと。 この小説は直木賞作家 村山由佳だからこそ書くことを許され説得力を持つ。 カインは存在しない。 緒沢千紘も石田三成もその他の登場人物たちも存在しない。 生々しい描写だけど、あくまでも創作であり作り事なんだと思う。でもだからこそ真実を書けるし潜ませることができる。存在しない、だから存在する。 下世話な読者であるわたしは、これまでもこれからも無責任に楽しく小説を読んでいこうと思う。 作家のみなさんありがとう。編集者のみなさんありがとう。校正の方も装丁の方も印刷所の方も運送の方も本屋の方も他にも本に関わるすべてのみなさんありがとう。


🔖ぼう|読書記録@book_252025年3月23日読み終わった認められたい。 そんな感情は誰にでもあるけど、カインのその思いの強さと、担当編集が思い上がって崩れていく様子に、読む手が止まらなかった。 ノミネートされて、でも受賞にまでは至らない。 もしも、自分だったら「あなたは違う」と言われているようで苦しいと思うし、だったらノミネートしないでよと思う。 でも評価がつきまとう世界で、そこから逃げることもできない。 もちろん物語ではあるが、出版業界における「プライズ」と、その裏にある事情や想いについて初めて知ることばかりで、面白かった!!!

ミサキ@misaki2018jp2025年3月22日読み終わったカインと千紘は確かな関係値を築いていったけど、それはあまりにも歪な石たちで積み上げられた城のよう。こうした方が絶対に美しくなると乗せた大きな石によって完璧で美しい城になるが、そこによって生じた歪みによってバラバラと一気に崩れてしまう、そんなよう。 カインの抱く承認欲求はめちゃくちゃわかるけど、そこまで直木賞に執着心を持てるのは逆に才能。

凪@nagi2025年3月19日面白くて一気に読んでしまった。 スピード感、じわじわ増していく違和感、反転する正義(?)、矜持、そんなこんな。 17章後半の、それまで薄々感じてた部分がズガンと回収されるくだりがとても気持ちよく、頭が熱くなった。 ちょいちょい元ネタのわかる部分とわからない部分があり、全部わかる人はもっと面白いんだろうなとちょっと羨ましい。




M.M@cao974402025年3月16日読み終わった私にとって、どうしても欲しいものってなんだろう、と考えさせられた。また、小説は出版社(編集部)と作者の魂と魂とのぶつかり合いで、命を削りながら磨き上げられていく裏側が詳細に書かれて、興味深かった。
めりのん@merinon2025年3月15日読み終わった好きいやー面白かったです。 例の方向から何かあるだろうとは思ってたけど、なるほどそういうことかーと。 天羽カインのこと、最後には大好きになってしまった。車内での礼儀知らずな足の挙動、最初はドン引きしてたのに、最後はその甘えすら愛しいと思ってしまってた。 わたしも彼女の本を買ってサイン会に並びたい。軽井沢ライフのエッセイも読みたい。雑誌記事の写真を見ながら、「さぞ幸せなんだろうなあ」などと愚にもつかない思いを巡らせたい。 ぜひ! どこかの版元さん、出版お願いします🙏


おたより@otayori2025年3月15日読み終わった面白すぎハラハラドキドキ@ 自宅こんなにハラハラドキドキして、先の展開が気になって、思わず何時間もぶっ通しで読んじゃう感覚、中高生の頃の読書体験を思い出してすごく懐かしい気持ちになった。 2,000円の価値あり!!!

ikematsu@jun_ikematsu2025年3月13日買った読んでる読み終わった三宅さんと竹下さんの書籍紹介からの気になってて読んだ。なるほど。手短に言うのは難しいけど、こういう書き方もあるんだ。と元気をもらいました。

ふくとみー@fukutommie_books2025年3月12日読み終わったすごいもん読んだ...。 剥き出しの、荒々しい承認欲求。ヒリヒリした直木賞選考の舞台裏。魂をぶつけ合うような編集者とのやり取り。 全てに引き込まれた。 カインもすごいが、編集者・千紘の変化も見応えあり。









りゅう@ryu08042025年3月11日読み終わった#PRIZE #読了 #読書好きな人と繋がりたい 大人気作家、天羽カイン。 本を出せばベストセラー、映像化作品多数、本屋大賞も受賞。 しかし、歴史ある文学賞を手にしていない。 欲しいー。「直木賞」が欲しい。 出版界の裏側も、書店員視点、編集者視点、作者視点で書かれており勉強になる。 文藝春秋は直木賞、芥川賞獲りやすいんじゃないの?と世間を代表する質問も描かれている。 リアル書店にはネット書店とはまた違った奥の深い愉しみ方があって、足を運ぶメリットも、効率などとは別のところにある。 目的の一冊へとまわり道なしで案内してくれるネット書店とは違って、 まわり道の中にこそ人生の喜びがあり、余剰が必ずしも無駄とは限らない、のがリアル書店だ。 PRIZE最高に面白かったです。

ふくとみー@fukutommie_books2025年3月10日心に残る一節私たちにとっては一つひとつの仕事こそが賞みたいなものなんですよ。新しい本がやっとできて、担当作家さんに喜んでもらえた時なんかはそれだけで最高の気分ですから(p194)

漆野凪@urushinonagi2025年3月10日気になるPodcast「劇団雌猫の悪友ミッドナイト」#54にてひらりささんと伊藤階さんが対談されており、その中での本の説明がものすごく面白そうだったので気になっている。『PRIZE』を読んでから本が読めるようになった、とまで対談内で言われていて、そこまで言われる本って一体なんなんだと興味が湧いている。読みたい本。

amy@note_15812025年3月10日読み終わった感想村山由佳先生の『PRIZE』超~~~~おもしろかった。おもしろくないところが一行たりともなくて、そんなことある!?ずっとおもしろいけど!?と思いながら読んでいた。主人公の天羽カインの描写が容赦なくて、読んでいる人によっては相当ヘイト感情が溜まったんではないのかなーと思う。 村山先生は人間の、眉をひそめたくなるような欲望や振る舞いを描くのすっごい上手でざらっとしてるんだけど、読み進めていくとそこが人間臭さというかその人物の愛おしくなるポイントになっていたりして、その話の運びや人物に抱く読者の感情のコントロールがすごいなあ。村山先生が意図してやっているのかはわからないけども。 あと悪意を持った人間の視点を描くのも絶妙に”イヤ~”なところを突いてくる。ロレックスの腕時計への眼差しのところとか。そいつに嫌な感情持ってないとそこは目につかないだろ!みたいなところを描くんだけど、すごい、好きなんですよね。村山先生のそういう描写のセンスというか配置がね……。 天羽カインの担当である編集者の緒沢の行動については、なんというか今話題の推し活というか推しへの”信仰”みたいなのを感じた。 これは私の個人的なことなのだけれどちょうど読んでいるタイミングで岡本喜八の『日本のいちばん長い日(1967年)』を見た。内容はすでに知っている人も多いだろうけれど、そのなかに玉音放送を阻止したい終戦反対派がそれまで信奉していた天皇にすら自分たちの意思にそぐわない害をなそうとする。 自分の信仰していた人や物が自分のなかにある信仰から外れたことをしようとしたとき、それを矯正しようとする。 そういう動きがある。芸能人に対して恋愛が発覚すると非難するファンにも同じものを私は感じるし、それを編集者の緒沢にも感じた。自分のなかに強固にある”こうあるべきだ”から外れることを受け入れられない。そうしたいという意思を天皇や芸能人や天羽カインが持っていたとしても受け入れられない。信仰に呑まれてしまっている。 そこからのラストシーン、天羽カインの作家としての姿は作中ずっとざらざらとした手触りだった空気を一層して清々しさに満ちていて、あの始まりからここに連れてきてくれるのか!と衝撃だった。私はこういう読者を物語のはじめから最後にかけて遠いところまで連れてきれくれるような話が大好き。本当に読めてよかった。単行本も買ったけど文庫も解説が楽しみなので買いたい。 そしてみんなやってると思うけど実写化するなら天羽カイン誰にやってもらいたいかっていう話をしません!?!?!?私は菅野美穂さんがいいです!!!あと天羽カインにずばっと言う女性作家は筒井真理子さんで!!!お願いします!!!




obama@obamabooks2025年3月1日読み終わったKindle@ 自宅人気作家・天羽カインが自身の作品一点に求める貪欲さとプライドはただ誠実に映って、彼女のエネルギーに絡め取られてゆく編集者たち、特に千紘の同一化にあぁ… と怯え嘆きながらもページをめくる手が止まらなかった。燃料になり得る以外の妬み嫉みは、口に出せる段階で鎮火したい。 小説に限らず何かを表現・創作するひとたちにおすすめしたいなぁ。国内小説もいっぱい読みたいなぁと素直に思ったし、こんなにヒリつく読書体験はいつぶりだろう……。

なみんご@namingo2025年2月12日読み終わった作家にとって原稿は子供。でも、限りなく子供に見えても、その実は同化した自分。親が子供(と己の両面を持つ化物)を守る話と思える。 子供を愛することは、世界の誰よりも味方で、来る敵を薙ぎ払う執念のように思えるけれど、子供はいつか一人で歩いていくので、味方を作ることも大切。けれど、矛盾するその行為を一人でできる人は少なくて、そのために冷静な伴走である編集者が命綱として必要。 そして、編集者は、作家への好意や作品への熱量だけで動いてはならず、株式会社の論理というドライな軸がブレーキとして役立つ。 追記: 考えてみたけど、作家が子供のように作品を大切に思えば、文学的名作が生まれるわけではないよな。子供を大切に育てたらプロ野球選手になるのではなく、信じて手放し、親にしかできないことをやり、才能を伸ばすためには外部を頼り、本人に切磋琢磨させるしかないというか。原稿は作者と同化してしまうし、磨くのも作者だから、魂を持ちながら作品を手放す、それが難しい。 短い群像劇的な構成も内容も中毒性ある…ゆえに後半ゾッとする…。

- 村崎@mrskntk2025年1月16日読み終わった止まらなくて一気に読んじゃった。最後の展開はヒッ…て声出た、苦しかった。いったん本閉じて呼吸を整えた…。生まれてゆく小説への抗えなさ、焦がれるのと怖いのとで心臓がずっとばくばくした 編集と作家という関係を最初から最後まで濃厚に読めて、直木賞を獲る、いい作品をつくる、読者に届ける、その気持ちが突き詰められている場面では胸が熱くなった。ひとりでも多くの一人ひとりに作品が届くといいなと思う。 作家にとっていちばん怖いのは、周りにいる誰もほんとうのことを言わなくなることってところがすごく好きだった。「書くものが適当に面白くて、しかも売れてたら、誰がわざわざ嫌われるようなこと言いたがる?」ほんとうのことを言うのも言われるのも、信頼と覚悟と作品への愛が必要…桜庭一樹さんが寄せているけど「小説は魔物」…これに尽きる…小説の魔力というか予想以上の力の前で手綱を握ろうとするのは無理なのかもしれない、手綱を握れなくなるような小説を書ける人は一体どれだけのものを懸けているんだろう… 新人作家の市之丞が不遜でめちゃくちゃいいのですが、(オイそんなこと言って大丈夫か…!?)と最初はヒヤヒヤしていたけど、気づいたら市之丞もっとくださいになっていた























































































































































