PRIZE-プライズー

154件の記録
- ちゃのき@chanoki2025年7月10日読み終わった最高だった!小説に本気であるからこそなぜ売るために本気にならない?と書店員や編集者を詰める天羽カインの激詰め描写の解像度の高さよ…。本当に胃が痛かった。仕事に真剣だからこそ相手にも本気を求める人って多いけど、その熱量や真剣さは大事で褒められるべきことでもあるから、どれほど苛烈でも私には憎めない…。カインのこと、普通に尊敬しちゃうもん…。でも会社員の立場ではそこに完璧に応えることはできない。その一線があるということを千紘が壊れていく過程と石田との対比を通して書いてくれて、会社員の立場としては救われた気持ち 千紘は決して元から狂気的な人だったわけじゃないよね。こちらは本気なのだから、そちらも本気の仕事をしろと求められたら、自分が責任を背負わなければと思ったら、人はこうなり得ると思う。わかるよ本当に。カインが自分が書いた小説を守り、あれほど執着していた直木賞を自ら手放した途端にあれほどカインを軽んじていたのにズルズルと別れられずにいた夫とスパッと離婚できたのは良かったな…。承認や周囲の目とかよりも自分を大切にする選択ができるようになったということかなと思ったので。
- 午睡@gosui__zzz2025年7月5日読み終わった村山由佳さんの『PRIZE』かなりおもしろかった!!!所謂「承認欲求」と呼ばれるものは誰もが持ち得る一方で自分が他者のそれを肥大化させる一因になってしまってはいないか?と自問自答しながら読んだ。天羽カインが直木賞を渇望するあまり傍若無人に暴れまくるのには、関係性の不均衡や文壇の権威に阿る雰囲気、彼女に向けられる眼差しなど様々なものがカインを覆い尽くして呪いと化しているからかもしれないと思った。自我を保つことこそが自分の欲求を受け止めるためのバケツの底を強化してくれるものだと思うとなりふり構ってられないよね、、、。他にも、生身の人間を崇めること自体に加害性を帯びていることを自覚せねばと思いましたぜ。村山さんが痒いところにガンガン手突っ込んでいくもんだから、こっちは「ほんと勘弁してくださいよ〜〜。」ってうろたえてしまう。我々人間がひた隠しておきたい心のうちに抱えた欲求を徹底的に描き切る胆力が最高にクールでした。
- 空色栞@reads_2025032025年7月3日聴き終わったaudibleで配信開始された。 面白かった! 小説家で一本で食べてる人はほんの一握りで、その小説家にとって直木賞は人生を変えるほどの賞で、喉から手が出るほど欲しいもの。真偽はともかく賞の裏の事情が描いてあり、真に実力のある人が受賞を逃す場合もあるのかとふと考えたり。天羽(あもう)カインが待ち会の後に、なぜ落選したのかを問うシーンは読んでるこっちも凍りつくような空気を感じた。
- 夕顔@styg2025年6月29日読み終わった個人的に読みやすい文庫本になるまで待ちたかったけど待ちきれずに買って読んだ 買ってよかった、読んでよかった、おもしろかった! 激重感情浴びられて最高だった〜
- エマ子@emma-05082025年6月27日読み終わった面白かった!久々に村山由佳さん読んだけど、やっぱり面白い。湿度高めでヒリヒリした緊張感がある人間関係を描かれるのが本当に上手いなぁ。 カインと千紘の狂気がすごい勢いで共鳴していくのがめちゃくちゃ不穏で怖かった。そりゃ常識人の石田さんは戦線離脱します。 これは実写化してほしいかも。カインが出版社の皆さんを高級中華で激詰めしてるところ見たいし、大御所作家にこてんぱんにされるとこも見たい。生身の人間が演じたらどうなるのか気になるし、さらに本が売れるきっかけになってほしい。
- 雫@sukinamono2025年6月3日読み終わった怖かったよ〜。途中嫌な予感がして続きを読むのが怖すぎて、でも気になりすぎて突き進んでしまったよ。 この怖さはなんていうんだろう。わたしが書店員だから怖いのか、本を読むことを愛しているから怖いのか。 「天羽カイン」という小説家を中心に物語は進む。この小説家、あのかの有名な直木賞が欲しくてたまらず、周りの編集者や審査員の大作家たちを巻き込んで大暴れする。 これだけ聞くと「賞が欲しいんなんて浅ましい」って感じてしまうけど物語を読んでいるとカインが自分の小説をそれこそ子供のように大切にしているからこその言動だとわかる。まぁ途中、自分のアホな夫をギャフンと言わせてやりたいから獲りたいんじゃないのか?と思ってしまうけれど。この夫がまぁムカつく奴なんです。わたしもコイツを黙らせたくてもう直木賞獲ってくれ!って願ってたもん。 そして編集者の千紘ちゃん。カインが異常なほど信頼して、その信頼に千紘も答えていくんだけどもう、もう、勘弁してください〜!って叫びたくなるほど編集者としていきすぎた行動をしていて。 それがいい作品をカインと作るため、という気持ちが原動力になっているのが余計…。いい作品ってなんだろう。作者が紡いだ物語全てが正解なんだろうか。わたしが今追いかけている一文、いや、一文字一文字に相当な想いがこもっていることに気づいてなんだかこの物語の重さが増したよう。 一時期は出版社への就職を目指して就活をしていたわたしだけどあの時落としてくれた出版社よ!ありがとう!とお礼を言いたい気持ち。わたしには到底背負いきれない。作家から出た一文を一文字も削れやしない。 より一層、書店員として、全ての本を大切に誰かに届くように売りたいと思いました。
- ワ@medetiais2025年4月30日読み終わった作品は我が子、というワード 何度も出てきていたのだけど最後の方になってンンンと思った 狙われていたのだろうと思うし自分の仕事柄もあるのだろうと思う
- TOMOCK@To_mock2025年4月22日読み終わった村山由佳さんの「二人キリ」が強烈で良かったので、書店店頭によく置いてあるこの本も読んでみました。主人公の女性作家も編集者たちもみんな曲者揃いで、自分の想いを吐露する部分は毒もたくさん吐くのだけど、なんだか嫌な感じがしない。みんな作品のために真っ直ぐだからなのか。後半からちょっとホラーというか、ミステリアスな部分もあったり。ドロっとした感情が出てくるけれど、最後なんだかスッとした思いで読み切りました。 わたしは本屋大賞や直木賞より芥川賞受賞作品を読む事が多いのですが、直木賞も気にして読んでみようかなとこの本をきっかけに思いました。
- ロッタ@rotta_yomu2025年4月18日読み終わったこわいよこわいよこわいよ!! 直木賞に取り憑かれるカインも小説に取り憑かれる彼らも。 商業小説というものが、どんな過程を経てわたしたちの手元に届くのか、直木賞というものがどんな選考過程を経ているのか、その裏側がこと細かく書かれている。 村山先生いいんですか...? カインは切望する。 欲しいのは直木賞なんだと。欲しいのは、「売りたい」ではなく「優れた文学」に与えられる直木賞なんだと。 この小説は直木賞作家 村山由佳だからこそ書くことを許され説得力を持つ。 カインは存在しない。 緒沢千紘も石田三成もその他の登場人物たちも存在しない。 生々しい描写だけど、あくまでも創作であり作り事なんだと思う。でもだからこそ真実を書けるし潜ませることができる。存在しない、だから存在する。 下世話な読者であるわたしは、これまでもこれからも無責任に楽しく小説を読んでいこうと思う。 作家のみなさんありがとう。編集者のみなさんありがとう。校正の方も装丁の方も印刷所の方も運送の方も本屋の方も他にも本に関わるすべてのみなさんありがとう。
- ぼう@book_252025年3月23日読み終わった認められたい。 そんな感情は誰にでもあるけど、カインのその思いの強さと、担当編集が思い上がって崩れていく様子に、読む手が止まらなかった。 ノミネートされて、でも受賞にまでは至らない。 もしも、自分だったら「あなたは違う」と言われているようで苦しいと思うし、だったらノミネートしないでよと思う。 でも評価がつきまとう世界で、そこから逃げることもできない。 もちろん物語ではあるが、出版業界における「プライズ」と、その裏にある事情や想いについて初めて知ることばかりで、面白かった!!!
- ミサキ@misaki2018jp2025年3月22日読み終わったカインと千紘は確かな関係値を築いていったけど、それはあまりにも歪な石たちで積み上げられた城のよう。こうした方が絶対に美しくなると乗せた大きな石によって完璧で美しい城になるが、そこによって生じた歪みによってバラバラと一気に崩れてしまう、そんなよう。 カインの抱く承認欲求はめちゃくちゃわかるけど、そこまで直木賞に執着心を持てるのは逆に才能。
- 凪@nagi2025年3月19日面白くて一気に読んでしまった。 スピード感、じわじわ増していく違和感、反転する正義(?)、矜持、そんなこんな。 17章後半の、それまで薄々感じてた部分がズガンと回収されるくだりがとても気持ちよく、頭が熱くなった。 ちょいちょい元ネタのわかる部分とわからない部分があり、全部わかる人はもっと面白いんだろうなとちょっと羨ましい。
- M.M@cao974402025年3月16日読み終わった私にとって、どうしても欲しいものってなんだろう、と考えさせられた。また、小説は出版社(編集部)と作者の魂と魂とのぶつかり合いで、命を削りながら磨き上げられていく裏側が詳細に書かれて、興味深かった。
- おたより@otayori2025年3月15日読み終わった面白すぎハラハラドキドキ@ 自宅こんなにハラハラドキドキして、先の展開が気になって、思わず何時間もぶっ通しで読んじゃう感覚、中高生の頃の読書体験を思い出してすごく懐かしい気持ちになった。 2,000円の価値あり!!!
- めりのん@merinon2025年3月15日読み終わった好きいやー面白かったです。 例の方向から何かあるだろうとは思ってたけど、なるほどそういうことかーと。 天羽カインのこと、最後には大好きになってしまった。車内での礼儀知らずな足の挙動、最初はドン引きしてたのに、最後はその甘えすら愛しいと思ってしまってた。 わたしも彼女の本を買ってサイン会に並びたい。軽井沢ライフのエッセイも読みたい。雑誌記事の写真を見ながら、「さぞ幸せなんだろうなあ」などと愚にもつかない思いを巡らせたい。 ぜひ! どこかの版元さん、出版お願いします🙏
- ikematsu@jun_ikematsu2025年3月13日買った読んでる読み終わった三宅さんと竹下さんの書籍紹介からの気になってて読んだ。なるほど。手短に言うのは難しいけど、こういう書き方もあるんだ。と元気をもらいました。
- ふくとみー@fukutommie_books2025年3月12日読み終わったすごいもん読んだ...。 剥き出しの、荒々しい承認欲求。ヒリヒリした直木賞選考の舞台裏。魂をぶつけ合うような編集者とのやり取り。 全てに引き込まれた。 カインもすごいが、編集者・千紘の変化も見応えあり。
- りゅう@ryu08042025年3月11日読み終わった#PRIZE #読了 #読書好きな人と繋がりたい 大人気作家、天羽カイン。 本を出せばベストセラー、映像化作品多数、本屋大賞も受賞。 しかし、歴史ある文学賞を手にしていない。 欲しいー。「直木賞」が欲しい。 出版界の裏側も、書店員視点、編集者視点、作者視点で書かれており勉強になる。 文藝春秋は直木賞、芥川賞獲りやすいんじゃないの?と世間を代表する質問も描かれている。 リアル書店にはネット書店とはまた違った奥の深い愉しみ方があって、足を運ぶメリットも、効率などとは別のところにある。 目的の一冊へとまわり道なしで案内してくれるネット書店とは違って、 まわり道の中にこそ人生の喜びがあり、余剰が必ずしも無駄とは限らない、のがリアル書店だ。 PRIZE最高に面白かったです。
- 漆野凪@urushinonagi2025年3月10日気になるPodcast「劇団雌猫の悪友ミッドナイト」#54にてひらりささんと伊藤階さんが対談されており、その中での本の説明がものすごく面白そうだったので気になっている。『PRIZE』を読んでから本が読めるようになった、とまで対談内で言われていて、そこまで言われる本って一体なんなんだと興味が湧いている。読みたい本。
- ふくとみー@fukutommie_books2025年3月10日心に残る一節私たちにとっては一つひとつの仕事こそが賞みたいなものなんですよ。新しい本がやっとできて、担当作家さんに喜んでもらえた時なんかはそれだけで最高の気分ですから(p194)
- amy@note_15812025年3月10日読み終わった感想村山由佳先生の『PRIZE』超~~~~おもしろかった。おもしろくないところが一行たりともなくて、そんなことある!?ずっとおもしろいけど!?と思いながら読んでいた。主人公の天羽カインの描写が容赦なくて、読んでいる人によっては相当ヘイト感情が溜まったんではないのかなーと思う。 村山先生は人間の、眉をひそめたくなるような欲望や振る舞いを描くのすっごい上手でざらっとしてるんだけど、読み進めていくとそこが人間臭さというかその人物の愛おしくなるポイントになっていたりして、その話の運びや人物に抱く読者の感情のコントロールがすごいなあ。村山先生が意図してやっているのかはわからないけども。 あと悪意を持った人間の視点を描くのも絶妙に”イヤ~”なところを突いてくる。ロレックスの腕時計への眼差しのところとか。そいつに嫌な感情持ってないとそこは目につかないだろ!みたいなところを描くんだけど、すごい、好きなんですよね。村山先生のそういう描写のセンスというか配置がね……。 天羽カインの担当である編集者の緒沢の行動については、なんというか今話題の推し活というか推しへの”信仰”みたいなのを感じた。 これは私の個人的なことなのだけれどちょうど読んでいるタイミングで岡本喜八の『日本のいちばん長い日(1967年)』を見た。内容はすでに知っている人も多いだろうけれど、そのなかに玉音放送を阻止したい終戦反対派がそれまで信奉していた天皇にすら自分たちの意思にそぐわない害をなそうとする。 自分の信仰していた人や物が自分のなかにある信仰から外れたことをしようとしたとき、それを矯正しようとする。 そういう動きがある。芸能人に対して恋愛が発覚すると非難するファンにも同じものを私は感じるし、それを編集者の緒沢にも感じた。自分のなかに強固にある”こうあるべきだ”から外れることを受け入れられない。そうしたいという意思を天皇や芸能人や天羽カインが持っていたとしても受け入れられない。信仰に呑まれてしまっている。 そこからのラストシーン、天羽カインの作家としての姿は作中ずっとざらざらとした手触りだった空気を一層して清々しさに満ちていて、あの始まりからここに連れてきてくれるのか!と衝撃だった。私はこういう読者を物語のはじめから最後にかけて遠いところまで連れてきれくれるような話が大好き。本当に読めてよかった。単行本も買ったけど文庫も解説が楽しみなので買いたい。 そしてみんなやってると思うけど実写化するなら天羽カイン誰にやってもらいたいかっていう話をしません!?!?!?私は菅野美穂さんがいいです!!!あと天羽カインにずばっと言う女性作家は筒井真理子さんで!!!お願いします!!!
- obama@sakiobama2025年3月1日読み終わったKindle@ 自宅人気作家・天羽カインが自身の作品一点に求める貪欲さとプライドはただ誠実に映って、彼女のエネルギーに絡め取られてゆく編集者たち、特に千紘の同一化にあぁ… と怯え嘆きながらもページをめくる手が止まらなかった。燃料になり得る以外の妬み嫉みは、口に出せる段階で鎮火したい。 小説に限らず何かを表現・創作するひとたちにおすすめしたいなぁ。国内小説もいっぱい読みたいなぁと素直に思ったし、こんなにヒリつく読書体験はいつぶりだろう……。
- mya@miya03072025年2月13日読み終わった今年読んだおもしろいエンタメ小説暫定一位。(まだ2月だけど) ひさしぶりにハードカバーの本を買ったし、ページをめくる手が止まらなかった。 苛烈なキャラクターと激流のようなストーリーには、読者をのめり込ませる熱があった。おすすめ!
- なみんご@namingo2025年2月12日読み終わった作家にとって原稿は子供。でも、限りなく子供に見えても、その実は同化した自分。親が子供(と己の両面を持つ化物)を守る話と思える。 子供を愛することは、世界の誰よりも味方で、来る敵を薙ぎ払う執念のように思えるけれど、子供はいつか一人で歩いていくので、味方を作ることも大切。けれど、矛盾するその行為を一人でできる人は少なくて、そのために冷静な伴走である編集者が命綱として必要。 そして、編集者は、作家への好意や作品への熱量だけで動いてはならず、株式会社の論理というドライな軸がブレーキとして役立つ。 追記: 考えてみたけど、作家が子供のように作品を大切に思えば、文学的名作が生まれるわけではないよな。子供を大切に育てたらプロ野球選手になるのではなく、信じて手放し、親にしかできないことをやり、才能を伸ばすためには外部を頼り、本人に切磋琢磨させるしかないというか。原稿は作者と同化してしまうし、磨くのも作者だから、魂を持ちながら作品を手放す、それが難しい。 短い群像劇的な構成も内容も中毒性ある…ゆえに後半ゾッとする…。
- 村崎@mrskntk2025年1月16日読み終わった止まらなくて一気に読んじゃった。最後の展開はヒッ…て声出た、苦しかった。いったん本閉じて呼吸を整えた…。生まれてゆく小説への抗えなさ、焦がれるのと怖いのとで心臓がずっとばくばくした 編集と作家という関係を最初から最後まで濃厚に読めて、直木賞を獲る、いい作品をつくる、読者に届ける、その気持ちが突き詰められている場面では胸が熱くなった。ひとりでも多くの一人ひとりに作品が届くといいなと思う。 作家にとっていちばん怖いのは、周りにいる誰もほんとうのことを言わなくなることってところがすごく好きだった。「書くものが適当に面白くて、しかも売れてたら、誰がわざわざ嫌われるようなこと言いたがる?」ほんとうのことを言うのも言われるのも、信頼と覚悟と作品への愛が必要…桜庭一樹さんが寄せているけど「小説は魔物」…これに尽きる…小説の魔力というか予想以上の力の前で手綱を握ろうとするのは無理なのかもしれない、手綱を握れなくなるような小説を書ける人は一体どれだけのものを懸けているんだろう… 新人作家の市之丞が不遜でめちゃくちゃいいのですが、(オイそんなこと言って大丈夫か…!?)と最初はヒヤヒヤしていたけど、気づいたら市之丞もっとくださいになっていた