
トラ
@Toreads1234
2026年6月27日
あなたはなぜ雑談が苦手なのか
桜林直子
勝手な偏見で、そこそこ上手くやってきたコミュニケーション強者が、雑談を盛り上げる手法を伝達する本だと思ってたけど少し違った。
「地面の上で上手に走る方法を知る前に、土の中から自力で地面に這い上がることを頑張らないといけない人もいる。」(p.178)
親子関係に苦労があった著者の定義する「雑談」とその効能について。心理的安全性みたいなものも含めて、かなりコミュニケーションに混乱をしていた著者が、脳を回して、人と話して、内省し、行動し、積み上げて積み上げて崩れた部分を補修して、血で塗り固めてきた現在、コミュニケーションを職業とする中での気づきや提言。自分を知り、自分の中の蓋をしていた領域を解放していくためにも他者との関わりが重要だと。
正直、真摯さと努力の量が違いすぎて、全然話が入ってこないところもある。
また、「雑談(こちらが聞くこと中心)」っていう、目的を設定できちゃえば、そこそこできる気がする。生活の中の会話は、この目的のコンセンサスを取りながら進めるから難易度が爆上がりする。話を広げるのか、まとめるのか、傾聴するのか、相手は何かもっているのか、こういった判断の部分に自分は難しさを感じていると気づけた。かといって友達と話す時に「今日は話を盛り上げるタイプ?聴いて欲しい感じ?それともひたすら打ち合う?」みたいな確認して始めないし。いわゆる「お喋りの技術」ではなく、この空気の読み方・作り方みたいなものが自分が必要とする能力だ。
「自分語りは脳内で快楽物質を分泌させる」みたいなネット記事を読み(これは自分の元からの考えを強化するもので)、自分のことを話すことは避けてきた。自己開示が苦手。でも、桜林さんの柔軟さは憧れる。
態度と言葉選びがとても好き。
「わたしは断るのが得意で、なんならやりたくない人がやるのは相手に対して失礼だから、断るのは相手のためだとすら思っている。」(p.98)
「伝わりにくい相手に伝えるためには、言葉が通じ合う場所を探さないといけない。言葉が得意だからといって言葉でねじ伏せるのではなく、相手と問題を共有できる場所を探り、敵対せず、伝えないといけない。」(p.185)
絵や動画、言葉(書き言葉と話し言葉)など、自分が使えるツールの中から柔軟に選んでいきたいし、チャンネルを増やしていきたい。
前提、抽象度、節の短さ(話題の掘り下げ方)があまり自分にはフィットしなかったが、学びのある本だった。連載を追いかけて毎週の楽しみとしての方が自分にはよかったかもしれない。


