
もも
@shii_hoo
2026年6月27日
見えるか保己一
蝉谷めぐ実
読み終わった
@ 自宅
全盲の学者・塙保己一の生涯を描いた小説。
保己一がどのような人なのか興味があって読んだ。
『群書類従』編纂までの道のり、大変さ、一大事業にかける情熱的なものを想像していたけど、違った。けっこう不穏だった。
保己一の最初の妻と保己一の弟子が浮気していて(これだけでしんどい)、保己一の目が見えないことをいいことに眼前で手を握り合ったり睦み合う場面とかびっくりしすぎてホラーかと思った。史実なの…?
最後まで読んで、「見る」ということへの根源的な問いをテーマにした作品なのかなと思った。身体的な意味での「見える」「見えない」と、世界の捉え方としての「みる」が重層的に合わさってた。
「人は自分の見たいものを見る」というセリフを保己一の幼なじみ(晴眼者)の輝ちゃんが言っていて、目が見える人も自分のフィルターを通して物事を見るから偏りが生まれたり、同じものを見ていても見る人によって物事の捉え方が違っていたり。
聖人君子みたいに扱われる保己一だけど、最後の20ページくらいで自分の心情を吐露していて、それがすごく良かった。



