食いしん坊ちぇりぃ "母という呪縛 娘という牢獄" 2026年6月27日

母という呪縛 娘という牢獄
家庭の機能不全の話は苦手なので、気になりつつも読めないだろうと思っていたこの本。図書館でパラッと見て、読んだ方が良いかもしれないと思い借りてしまった。案の定、読むに耐えず飛ばした箇所はあったけど、世に出ることが必要な本だなと感じた。 9年間の医学部受験浪人を強いた末の殺人だと誤認していたけど、娘はその浪人生活は耐えたことを知って絶句。殺人のきっかけはその地獄の再来を阻止するためのものだった。この母子の間に介入できた可能性があった人達は、私の感覚からすると自責の念でおかしくなったりしそう。でも、漫然と異常事態を放置していた父親の苦悩は少なくともこの本からは見えてこず、モンスター化した母を金銭的に支援するだけだったアメばあの事件後のお気持ちも謎のまま。。。結果は不可避だったと納得してしまった。 私自身はこの娘と年齢が近いのだけど、我々世代の娘を持つ母親たちの多くは家庭に入る事を既定路線とされていた人たちで、娘に対しては「これからの時代は女性も社会進出!娘は仕事も家庭も!」と新しい時代に期待を寄せて、自分が道半ばで諦めたり叶えられなかったりした仕事での自己実現を娘に託そうとしていた人達は少なからずいた気がする。この本の母娘は極端なものの、それでもあの時代の母子の空気感を感じた。母親の歪な学歴観がどのように形成されたのかはわからないままだけど、あそこまで露骨に見下げるまではしなくとも、公立の教育システムを積極的に回避しようとして子供を受験というレールに誘う親たちの価値観とも地続きではあるなと思い、、、違う世界の話、ではなく、まさしくこの社会で起きた事件だなという変な腹落ち感もあった。 一審では無罪主張、二審で認めに転じるという裁判の展開も珍しく感じられ、娘の心境の変化が興味深かった。裁判を通じて自身が置かれていた苦境に思いを馳せてくれる人が世の中にいることを娘が感じられたことに細い糸のようなかすかな希望の筋を感じた。
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