頭山 "断片的なものの社会学" 2026年6月27日

頭山
@mountainhead
2026年6月27日
断片的なものの社会学
量子力学や禅、光の性質のように、精緻に説明しようとすればするほど手からすり抜けていくが極々ありふれてそこにある現実を著者本人の生活、そこに現れては去っていく人々を通して、映画『トランスフォーマー』におけるバンブルビー話法で語るエッセイ。 私事の眼鏡をかけるならば、 ビーチコーミングのように音楽を探して楽しむ私はリサイクルショップを巡るのが趣味で、休日が始まる前日の深夜、仕事が終わるとそのままレコードディグする遠方へ前乗りする為車を走らせます。その道筋、例えば山深い曲がりくねった道路の奥にポツンと佇むうらびれたアパート、の窓から漏れる光が目に入ったその刹那に過ぎゆく、私が生きている場所とは全く交わらない時空間で一生出会うことがないであろう誰かのふつうの毎日、そのなんでもない夜があの窓の向こうにあることの不可思議さ。深夜の田舎道、なんでもない地方都市にあるマンションの窓から漏れる光から瞬間的に一方的に邂逅し交錯する時間の有り得なさ、こんな時間に起きて世界を共有していることのライブ感、そのことを嬉しさと寂しさをほんの少しだけ巻き込んでそのまま快活CLUBへと走り去るドライブに纏わりつくテクスチャー。そんな、人に伝えようと言葉にするとその端から崩れて違うものになってしまうものを、この本は書き留めている、と思いました。
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