
楡
@etemotust
2026年6月27日
帰れない探偵
柴崎友香
読み終わった
霧の中を彷徨うような、振り返ったら夢のようにすべて消えてしまうような、不思議な浮遊感のある紀行文のようで、なぜか読んでいて心地いい。と思っていたら、まるで霧が晴れて青い空が見えたような、急に地に足がついたような、そんな展開が待っていて、私自身がまるで帰る場所を見つけたような感覚になった。
固有名詞がほぼ出てこないのに、音楽だけは現実の固有名詞が出てきてところどころおや?と思っていたのも、最後まで読むと飛び石のようなものだったんだなと遅ればせながら納得。
ラストで希望が覗くところが素敵と思いつつも、惑いながら各地を転々とする間の文章が心地良すぎて、その部分をもっと読んでいたかったなと我儘な感情を持ってしまった。



