
漆野凪
@urushinonagi
2025年3月26日

星が人を愛すことなかれ
斜線堂有紀
読み終わった
『愛じゃないならこれは何』の続編にあたるアイドルの恋愛短編集。
前作を読んだ時は、恋に狂い献身的なまでの愛ゆえに、相手に都合のいいペルソナを作って勝手に苦しくなる愚かしい女の話が多いと思ったけれど、今作では全員バラバラの方向を向いているのに一緒にいて、だからこそ軋轢が生まれる様子がよく描かれているという印象だった。
斜線堂有紀さんは歩む道や思想が一生交わらないようなねじれの関係を描くのが上手い。同時に、苦しみとエンタメの境界線をなぞるような恋愛小説を書く人だな、とも思っている。どの短編も苦しかった。

