レッチリ "推し、燃ゆ" 2026年6月28日

推し、燃ゆ
推し、燃ゆ
宇佐見りん
再読。 思わず手に取ってページをめくってみたくなるよう な可愛らしい表紙とキャッチーなタイトルとは裏腹に、内容はどこまでも真っ黒で終わることのない闇を見せつけられる。 推しが炎上するというのがこの話のスタート地点であるが、この話における「推し」という概念は、例えばインザメガチャーチで朝井リョウが書いた個別具体的なそれというよりかは、もっとその奥にある抽象的なものを表層に吊り上げて描いていると思う。つまりこの話は何も推し活の話ではなく、現代人が抱えている生きづらさを描く中で、たまたまこの主人公は推し活を生きづらさの解消に利用していたというだけで、だから表面では今の若者に受け入れてやすい推し活を打ち出していて、その奥には誰もが抱える孤独や憂鬱さを包括している。普遍的でありながら同時代的でもある、これがこの作品の優れている点だと思う。
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