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レッチリ
@oi09065910811
  • 2026年6月28日
    推し、燃ゆ
    推し、燃ゆ
    再読。 思わず手に取ってページをめくってみたくなるよう な可愛らしい表紙とキャッチーなタイトルとは裏腹に、内容はどこまでも真っ黒で終わることのない闇を見せつけられる。 推しが炎上するというのがこの話のスタート地点であるが、この話における「推し」という概念は、例えばインザメガチャーチで朝井リョウが書いた個別具体的なそれというよりかは、もっとその奥にある抽象的なものを表層に吊り上げて描いていると思う。つまりこの話は何も推し活の話ではなく、現代人が抱えている生きづらさを描く中で、たまたまこの主人公は推し活を生きづらさの解消に利用していたというだけで、だから表面では今の若者に受け入れてやすい推し活を打ち出していて、その奥には誰もが抱える孤独や憂鬱さを包括している。普遍的でありながら同時代的でもある、これがこの作品の優れている点だと思う。
  • 2026年6月27日
    かか
    かか
    宇佐美りんのデビュー作で評価が高かったので読んでみた。文体が独特で引き込まれた。 母親が感じている生きづらさを自分が生まれてきたせいだと思う主人公は、自分が母親を妊娠して一から育てたいという願望を抱える。 「共感」とか「同一化」というのがこの小説のテーマだと思うが、依存先を失い実存的な孤独を抱える昨今の人々には刺さると思う。
  • 2026年6月26日
    小説言の葉の庭
    最近雨が多いからふと思い出して読んだ。 新海誠は村上春樹から影響を受けていて、その中でもセカイ系という構造を大々的に持ち出したという点では評価されるべきだと思う。 秒速5センチメートルでは主人公が「時間的牢獄」に「1人」閉じ込められた一方で、本作では「空間的牢獄」に「2人」で閉じ込められた。その点では秒速よりかは幾分か救いのある話だなと思った。 でもやはり(当たり前と言えば当たり前だが)新海作品は映画でその本領を発揮するのだなと感じた。
  • 2026年6月21日
    「日銀」が日本を滅ぼす
    「日銀」が日本を滅ぼす
    日銀が30年ぶりに金利を1%まで引き上げたということなので読んでみた。 失われた30年で日銀がしてきた政策の失敗点について書かれていて面白かった(面白がっていいのか分からないが)。 金利を上げたことについては批判もあると思うが、今までの異常なまでの低金利からようやく脱却の兆しが見えたという点では、悪くない傾向だと思う。 日銀のこれからの動きが楽しみになる一冊だった(楽しんでいいのか分からないが)。
  • 2026年6月20日
    金閣寺
    金閣寺
    文章が美しすぎる。それなのにスラスラ読み進めてしまう。すごい。 主人公が終戦後に金閣を焼くと決意したことから当時の日本国民にとって終戦、あるいはその後の天皇の人権宣言というのがどのようなものであったかがよく分かる。終戦というのは解放であると同時に自己拘束へと導くきっかけでもあったのかもしれない。
  • 2026年6月15日
    死者の奢り・飼育
    大江健三郎の初期作品6作が入っている。「飼育」は芥川賞を受賞した。 サルトルと実存主義に基づき、人間の存在のあり方について書いている。 「死者の奢り」「他人の足」では、人間を一つの物質的存在として捉え、その身体や生の意味について考察している。一方、「飼育」「人間の羊」「不意の唖」「戦いの今日」では、日本人と外国人という対立関係の中で、人間が他者とどのように向き合い、偏見や暴力、支配と被支配の関係をどのように生きるのかが描かれている。これらの作品を通して大江は、戦後社会における人間の孤独や不安、そして自由である、不自由であるとはどういうことかを追求している。
  • 2026年6月14日
    赤頭巾ちゃん気をつけて
    学生運動の煽りを受け大学入試が中止になった高校3年の青年が主人公の物語。青年はいつも周囲をトゲトゲした目で見ており、心のうちでは自分を誰よりも激しい痴漢であり色情狂で強姦魔で喧嘩好きの暴行犯で殺人狂であると考えていて、そんな自分に恐怖を抱いている。 つまりこの話は実直な感性と知性を持つ青年が、自分を襲うアドレセンス的な感情をなんとか統制しようと試みる話だ。彼はどこまでも賢くて優しくて素直だ。だから色んなことについて悩んでしまうし、傷ついてしまう。 作者の書く文章はそんな主人公の流動的な心情をその独特な文体で表現することに成功している。主人公の心から感情がそのまま溢れてきて密閉したかのようなリアルな質感を覚える。 したがってこれはとんでもない傑作といえる。
  • 2026年6月11日
    こころ
    こころ
    中学の頃読んだ時は「難しいな、読みづらいな」と思っていたが、今回読んでみるとすらすら読める。自分の中のこころ=難解という方程式がページをめくるごとに崩されていく。あまりにも文章が上手で、人間の心の機微をここまでうまく描写できるのかと驚いた。 Kと先生は2人とも自分や周囲に対して誠実であろうとしすぎるがあまり、些細な嘘や欺瞞を見過ごすことができなかった。Kが奥さんから先生とお嬢さんが結婚することを聞いた時、微笑みながら「おめでとうございます」と返したシーンは涙が出そうになった。 間違いなく日本文学の金字塔。
  • 2026年6月8日
    水たまりで息をする
    風呂に全く入らなくなった夫に対して、執拗に咎めることなくあくまで夫の考えを尊重する体をとりながら、それは無関心ではないかと自分を訝しむ主人公。結婚相手に対して子供の頃に川で拾って飼育していた魚の姿を投影する彼女は、夫婦生活を「おままごと」的にしかこなすことができない。結婚というシステムを使っても解消されな現代人が持つ堅固でソリッドな孤独感を水という極めて流動的なものを通して描いている。
  • 2026年6月7日
    車輪の下
    車輪の下
    自伝的小説ということもあって、メッセージ性みたいなのは特に受け取れなかった。ただ主人公のハンスに共感できる人は多くいると思うので、日本でよく読まれている理由は分かった。
  • 2026年6月6日
    性的人間
    性的人間
    性的人間 各々が個人的に抱える性的渇望、それを実現しようと試みる主人公たちであるが、性的なものはどこまで行っても他人との間に生じるもので、軋轢は摩擦を避けることはできない。結局のところ本当の意味での欲求を満たすことは誰にもできないのではないか。快楽は全て偽物で、本物は往々にして苦しいものだ。 セヴンティーン 主人公である青年のリビドーの行く先は右翼化することであった。右翼的思想に傾倒することで、自分の中の有り余るリビドーを解消することに成功する。しかしそれは外的要因によって示された道であり、本人の意思は介入していない。しかし青年は満足げであった。 共同生活 4匹の猿に見つめられている妄想に駆られる主人公の青年。彼は猿に見つめられてからというもの、生活の殆どにおいて猿に意識を取られていた。ある日彼は会社で覗き見犯の冤罪をかけられ、その後猿は彼の視界から消えた。猿から解放された彼は一見自由であるが、依然として彼はどこか鬱然としていて、あるいは猿の視線によって自己を保っていたのかもしれない。
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