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@yuyurara
2026年6月28日

恋愛中毒 (角川文庫)
山本文緒
読み終わった
かつて読んだ
すごいなあすばらしいなあ、山本文緒さん。この構成はほんとに見事。
あの代表的なフレーズは苦しいくらい好きで。苦しくなるのに、ね。まざまざと見せつけられる感情、心の内の描き方にそのすごさを実感する。
水無月さんは「ヤバい人」。なのにその一言で片付けられずヒリヒリざらつく胸の内。
「適量」がわからず、「理性」のタガが外れてしまえばどこまでも「執着」「独占」してしまう。「盲目」になり、境界線も踏み越えエスカレートする言動を止められないのは「中毒」。
「狂気」と言えてしまうのになぜだろう。紙一重のようにも。「暴走」にみえるはずなのに。
世界は「わたしとあなた」だけで充分になり、都合よい解釈でストーリーを作りあげる経験はなかったか自分に問うてはぐらつく。
いくら自分に課しても約束しても決めたことを破る瞬間を迎えてしまう。抗えない感情と欲が引き金になり壊されるから。「中庸」でいるってすごくむずかしい。
狂った人に映るけれど、恋愛の側面、溺れた感情がズームで映されただけのようにも。感情との距離感、バランス感覚のちょっとした違いでだれしも「ヤバい人」になる/なっていたのではと。
いつかの/未来の自分という可能性を捨てきれないのは、なぜだろう。
ただただ自分の中に潜む狂気に狼狽えているだけかもしれないけれど。
いや、「創路功二郎」を知っているからだ。同じ人を見ていたの?それとも量産型人間なの?とあまりに見覚えのある「ズルい人」の描き方に同じようにムシャクシャする気持ちになっては、水無月さんの感覚をないがしろにしたくないと思ったからだ。
山本文緒さん作品は人生の節目節目で読み返し、一緒に歳を重ねていってるだいすきな作家さん。

