
saeko
@saekyh
2026年6月28日
仕事のストレスで疲弊して、その状態を麻痺させるために空き時間はスマホでSNSを無限スクロールしてしまう私には刺さるところが多すぎて苦しくなった。
『暇と退屈の倫理学』をより親しみやすく、現代に寄せて書き直したものともいえる。
ポストフォーディズムの時代、ひとつの専門性を磨けばいいのではなく不確実な状況下で常に成長を求められ、その不安からくる精神の不調が社会ではなく個人の責任として帰せられてしまう時代、人々は自己啓発によってハイテンションに振る舞うか、断片的な娯楽による刺激で感覚を麻痺させようとするかで乗り切ろうとしていると指摘する。
その手段の最たるものであるスマホとSNSは、完全に断つことは現実的ではない一方で、インスタントな情報の供給によってわかりやすいもの・承認欲求が満たされるものばかりを選択させられてしまいがちだ。
この時代を乗り切るための自助努力として、筆者はスマホとの接続を切り、孤独になるための趣味を持つことを奨励する。
やはり「令和人文主義」の代表格だけあり、社会ではなく個人が変わることを薦めるのだなと少しがっかりする気持ちと、でも社会をすぐに変えられないとした場合に個人としてどう過ごすべきかという視点も大事だよなという葛藤した読後感になったが、非常に示唆的な内容だった。
