
雫
@sukinamono
2025年3月26日

なにごともなく、晴天。
吉田篤弘
読み終わった
いい小説を読みおわったあとは、その本を手に取ってまじまじと眺めてしまうものです。
この本もまさにそうでした。
おいしいものをたくさん、好きな人と一緒に食べた後のような。
気持ちがいい天気の日に爽やかな風が吹いて、ちょっと空を見上げてしまうような。
丁寧に丁寧に淹れたコーヒーが、目が覚めるほど美味しかったときのような。
明日には覚えていないことなのに話題が尽きなくてずっとこんなのような夜がいいと願ってしまう日のような。
そんな心地よさが残る作品でした。



