いるかれもん "愛なき世界(下)" 2026年6月29日

愛なき世界(下)
たしか最初に読んだのは就職する前の春だったので、約3年ぶりに読み返したけど、「え、この本こんなに面白かったっけ!?」って驚いてしまった(笑)。この本大好きだ。  前読んだときは自分がまだ(形だけだけど)大学院に所属していたから、同じく院生で主人公の本村さんにばかり気にしていた。就職して少しアカデミアから離れてから読んでみると、藤丸くんや、研究室の先輩たちの良さにも気がついた。すごいいい意味でみんな少しズレている。それぞれの人物(そして植物)がすごい魅力的に描かれていて、こんなに鮮やかで爽やかな小説ないんじゃないかな。変なTシャツを着る本村さんも、ずっとサボテンのことしか考えていない加藤くんも、整理整頓ができず、チャンバーのホースを出しっぱなしにして実験室を水浸しにするけど研究•教育は抜群な松田先生も、多分みんなズレている。でも、大学院のときのこと思い出すとめっちゃいそうだし、なんなら憧れていた(笑)。あと、藤丸くんはものすごい童貞感があって、タイミングも悪いんだけど、でも、料理には真摯に向き合い、実は植物を見る目も鋭くて、そして、なぜか本村さんをそっと助けるような言葉をかけられるところも素敵な人だなぁと思ってしまった。これは前読んだときにも思ったけれど、タイトルは『愛なき世界』だけれど、本当に愛おしい物語。  あと、下巻に、とんでもない研究上のミスに気がついた本村さんをみんなで飲みに連れ出す話があったけれど、私もほぼ同じ経験があったことを思い出した。普段みんな人間には興味ないのにそういうときは助けてくれるのよね、院生って(笑)。(飲みに行ったら、先生たちも飲んでいて結局ずっと先生たちの熱い話を聞いていたのも思い出である)
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