
おにぞう
@onizou4869
2026年6月29日
汚れた手をそこで拭かない
芦沢央
読み終わった
いわゆる「イヤミス」に属する本と思われるが、嫌な気持ちになる度はかなり高い。
5編からなる短編集だが、どの話も終始いやーな雰囲気が漂っている。
息が詰まる。
どの話も(リアルではある一方で)フィクションっぽい設定なのに、自分にも起こりうる話なのでは無いかと、読んでいて体温が下がる。
全体を通して、誤魔化しや、その場しのぎといった自己防衛が悪い結果を引き起こしており、そこが息苦しさを産む。
「汚れた手をそこで拭かない」というタイトル通り、登場人物たちは何かしら汚れを孕んでいる。 その汚れを洗面所で洗い流せれば良かったが、別の方法で拭おうとしてしまった人たちの末路。
ホラー小説よりも、肝が冷えるという意味ならホラーである。
これからの夏にオススメ。


