
阿久津隆
@akttkc
2026年6月16日
読んでる
車に乗っていた。助手席にはオールド・ベイヤードがいて、車はすごい速さで走っているみたいで、この老人は、なんでこんな走行を孫に許したんだ、と思いながら読んでいると、車はスリップし、道から外れて、土手に乗り上げ、宙に浮かんだ。何が起きているのか正確には読み取れないが、飛んで跳ねて、それからまたどうしてなのかエンジンを全開にして、それから停めた。ベイヤードは煙草を取り出して、「車がひっくり返るぞっていうときには、あのいまいましいコンクリートの橋を思い出しましたよ」と言って、それから祖父のほうを見て、祖父がさっきと同じ姿勢でいることに気づいて、声を掛けても、体をゆすぶっても、うんともすんとも言わないことに気づいた。何やってんの! と思って次の章に行くとベイヤードは馬に乗って、マッカラム家に行った。これは、どういう時間なのか、事故からどのくらいが経ったのか、とわからないまま読んでいると、マッカラム家の若者たちが街に行って帰ってくるみたいな情報に触れたとき、「これでこの人たちも知ってしまう」とベイヤードは思って、それから、「ええい、くそっ、そうだったとしたらどうだというんだ」と思った。
p.444
おれが責められねばならないのか? おれが祖父に一緒に乗ってくれとしつこく言ったか? おれがあの老人に役立たずの心臓を与えたのか? そして冷ややかに―おまえは怖くて家に帰れなかった。黒ん坊に言いつけて、馬を連れてこさせたのだ。おまえというやつは、うまくいかないかもしれない、うまくいく可能性さえないかもしれないと、おまえの判断力が告げていたことをわざとやっておきながら、怖くて自分自身の行為の結果に直面できないのだ。すると再び、彼の中の深いところで眠らずにいる、邪険な何かが、弁明と正当化と非難のうちに燃えあがるのだが、何が何に向かって燃えているのかはわからなかった。誰のことなのかもわからなかった―おまえがやったのだ! すべておまえのせいでこうなったのだ。おまえがジョニーを殺したのだ。
いやー、しんどい。それからベイヤードは寝床に入り、しかし眠れず、外に出ようとして、ショットガンに触れて、外の寒さは強烈で、それから部屋に戻って、薄い布を隔ててすぐ先に死があるような感じがずうっとあって、苦しい。