
ぽかり
@popopocari
2026年6月29日
見えるか保己一
蝉谷めぐ実
読み終わった
最後、なぜか涙が止まらなかった。
「盲目には心眼があり、目明きには見えないものが見えている」という美談。それは目が見える側の勝手な押し付けであり、傲慢なファンタジーなのではないか?
保己一はただ、純粋に学問が好きなだけだったのに。
「目が見えないくせに」と見下していたかと思えば、手のひらを返して「目明き以上だ」ともてはやす。
これって、現代のSNSで見かける、あの息苦しい空気感と全く同じじゃないか。
好きなものを好きと言うだけで批判を受け、コミュニティのなかでもマウント合戦が繰り広げられる。江戸の昔も、令和の今も、人間はなんて不自由なんだろう。
だからこそ、作中で真に保己一を一人の人間として見ていた「輝ちゃん」の存在と、最後に響く彼の言葉がどこまでも胸に刺さる。
なぜ泣いたのか、その正体を探るために、これから何度も再読を重ねていきたい。とーーっても好きな作品に出会えました。



