
よろこびイサンディ
@yorocobi_isandy
2026年6月29日
みみずくは黄昏に飛びたつ
川上未映子,
村上春樹
読み終わった
文庫版のための対談も含めるとすれば、5回の対談が収録された本書は、ともすれば、一貫した物語を胚胎している気さえしてくる。
4回目の対談は村上春樹の自邸で執り行われ、そこでの川上未映子のあまりに容赦のない、ややもすれば、無礼とも取れる程の率直な質問に、村上春樹は少々、たじろぎつつも、誠実に回答しているように僕には見受けられた。
それまでの3回の長いインタビューの積み上げによる達成であり、或いは双方がそれぞれの方法でそれぞれの小説に向き合ってきたインタビュー以前の時間と、その間の試行錯誤の蓄積が香り立つ豊穣となって、ページから立ちのぼっていた。
村上春樹の書き方がスタンダードではないのかもしれないし、スタンダードたり得ないが故に世界的な小説家としての確固たる名声を築いたのかもしれないが、彼の書き方について、彼自身が語った箇所は実に神秘的であった。
村上春樹の新作が刊行予定の夏にあって、本書を読み始めた頃、僕はその報を知らなかった。
ただ、今週末に迫った刊行予定日に、本書を経験した僕は書店に行くだろう。
ティーンエイジャーに読み耽った村上春樹の著したフィクションに再会し、如何なる感想を抱くのか。
今からとても楽しみなイベントである。

