
時間のかかる読書人
@yoko45
2026年6月29日
開かれた対話と未来
斎藤環
読んでる
@ 自宅
しかし、完全に権力関係のない関係性などありえない、ということは指摘しておくべきでしょう。ミッシェル・フーコーは、権力関係はどこにでもあると主張しています。「この社会のあらゆるところに、男女間でも、家族間でも、先生と生徒のあいだでも、知っている人とそうでない人とのあいだでも、権力的な関係が存在する(・・・)」これが真実ならば、権力関係から抜け出すことは不可能です。それゆえ、以下の点に注意が必要です。「権力関係それ自体は善でも悪でもないが、危険なものにはなり得る。だから、あらゆるレベルで、権力がその力を振う向けるやり方において、なにが最善の道であるかが考慮されるべきであ
为」[Foucaull, 1983]。
対話的な関係も権力関係であり、どのようにしてその力を最善の方向につなげるかを考えなければなりません。オープンに心配事を取り上げること、協働活動を賦活しながら主観的視点のための空間を広げること、他人を変えようという戦略的なやり方を避けること、これらも非対称的関係における権力の行使です。たとえ非対称性を認めており、尊重している場合であってもそうなのです。
