傘野 "恩讐の鎮魂曲" 2026年6月11日

傘野
傘野
@amemoyou0831
2026年6月11日
恩讐の鎮魂曲
恩讐の鎮魂曲
中山七里
御子柴礼司シリーズの3作目。今回も面白くて1日で読んでしまった。 2作目でこのエピソード…!からの3作目でこの展開か、と驚いた。御子柴弁護士の運命を変えた稲見教官の再登場。 こんな介護福祉施設は嫌だ、という感じで話の展開上仕方ないとはいえなかなかひどい描かれ方だった…自分の祖母がさいごに入っていた施設の職員さんたちは祖母の葬儀にも参列してくれて、何人かは涙を流してもくれたので、激しいギャップを感じ得なかった。映画『月』などにも感じたことだが、あくまでもフィクションの設定と決め込みたいところだった。 今回はバッドエンドではないものの、なかなか苦い終わり方だった…というか、このシリーズ、今のところ爽やかなラストが1回もないな(だがそれがいい)。 あと、2作目の事件はさすがに受けるのやばかったやろ、と思っていたので今回の谷崎弁護士の指摘はナイスと思った。御子柴弁護士はおそらく誰かを救っていない時間の自分に価値を見出せなくなっている。けれど依頼人を見下していたりもするので、なかなか屈折しているのだけれど… それでも前作の倫子の手紙で、少し違う味わいになったような気がする。これは御子柴礼司が少しずつ、人間になってゆく過程でもあるように思った。
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