
なつまる
@jinbe1708
2026年6月30日
自転しながら公転する
山本文緒
読み終わった
立てなくなった。読むことが自傷行為になる本は初めてだ。逃げ出したくなりながら、最後まで読んだ。心臓の血液が全部鉛になったみたいに重い。
触られると痛くて耐えられないから絆創膏を貼って見えないようにしていた傷を暴かれたような。
昔殺してもう二度と会わないと思い出が亡霊となって現れたような。
貫一が昔付き合っていた恋人と重なる。
運命を予感させる出会い方、一般社会からはみ出た生き方、言葉足らずだけど温かい愛、ティファニーのネックレス、罪過と失望。
あまりにも似すぎて、重ねてしまう。
都と違ってわたしは貫一に二度と連絡をしないことを選択した。
それが正解だと思っていた。
でも、本当にそう?わからなくなる。
もっと早くこの本に出会えていたら、あるいはわたしは今も彼と一緒にいたのだろうか。
いや、わたしはわたしだ。都にはなれない。
人生の操縦桿を自分で握っていない自分の頼りなさに吐き気がする。それでも自覚できてよかった。克服はまず自覚することから始まると思う。
自分の人生を克服できたら、またこの本を読みたい。


