
和月
@wanotsuki
2026年7月1日
さよならジャバウォック
伊坂幸太郎
読み終わった
実は初めて読む伊坂幸太郎作品。ずっと読みたい作家リストにいたけどようやく読めた!
ちょっとファンタジックなミステリーで面白い。タイトルの通り、アリスの世界を想起させるような不可思議な空気が作中に終始漂っている。
この違和感は何?どういう真相なの?と霧をかき分けるように読み進める感覚がとても楽しかった。
そうきたか!と思わず天を仰ぐ物語というよりは、成程それなら合点がいくな、というお話。最後まで読んでもう一度読み直すと見えてくる世界がまた変わる気がする。
作品内で「人間程温厚で残忍な存在は他にいない」という言葉が出てくる。人間という生物について、温厚さを理性、残忍さを本能とする見方もあるかもしれない。しかし、本作が伝えたいことはそうした性悪説とは異なるように感じられた。
人間の理性によって押さえつけられている部分が物語の核となり、その情動が爆発する終盤は読み応え抜群。
少し近未来的な世界観ながら、人間を人間たらしめるものとは何か?という現実に即したテーマについて考えさせられる作品だった。
次は敢えて初期作のオーデュボンを読んでみたい。




