マオ
@pb-mao
2026年7月1日
燻る骨の香り
千早茜
読み終わった
シリーズ三部作、最終巻。読了。
途中で挫折する要素は幾度かあったけど、物語の後半は、今日みたいに雨の降る午後の静けさの中で読むには、絶品の読み応えだった。
語り手が曲がりなりにも老舗の会社を担う立場なだけに、このシリーズで初めて、読んで良かった、と思うほど、倫理観の逸脱が比較的抑制されていたため、後半はその内容に反して安心して読めた。
ミステリーとしても、関係性の描写としても、落としどころが綺麗に収まって、まとまりが良い。
三部作の最終巻の締めるに相応しい幕引きも、一作目から読み返したくなる余韻と、三部作を見届けた読者にだけわかる経過を示唆していて、通しで読む醍醐味が味わい深い。
単体で読んでも、比較的、破綻しにくい作風なので、惹かれた題目から彼等の関係性を深堀りしていく読み方も、人によってはありかな? と思う。
どうしても刊行順で読まないとダメとかじゃない気がする。そういう意味ではとても巧いと思う。
キーパソンによる倫理観の破綻や暴力性の高い鋭利な横暴さはどの話でも憚りなく健在なので、読む側としては毎話、多少の忍耐と覚悟は必要…。


