
shiori
@shiori_417
2026年6月30日
たぶん、恋しい
一穂ミチ
読み終わった
バッドエンドではないけど、すごくハッピーエンドでもない、少しざらついた手触りの後味を残すような短編集。
『スモールワールズ』や『ツミデミック』に連なる、一穂さんが書くこういう感じの、なんともいえない気持ちになる短編集好きです。
「エンパイアライン」
読み終わった時、「好き」というのではないけど、なんだか妙に心にひっかかった作品だった。
セッコが実在しないと分かっている現実と、それでもセッコが確実に存在する現実、2つの世界の現実を同時に生きているマリに、『無機的な恋人たち』で出会ったドールの夫たちを思い出した。
相手と同じものを信じ、大事にできるか。信じるまではいかないとしても、尊重し続けられるか。
マリや電車のおじさんは極端な例ではあるかもしれないけれど、深い関係を築こうとするときに相手と自分の間にある、そんな根源的な問いを突きつけられている気がした。
「すげえ泣くじゃん」「たぶんそんな感じ」
この2作は、じわじわ沁みてくる感じでとても良かったなぁ…