ころもで "灯台へ" 2026年7月1日

灯台へ
灯台へ
ヴァージニア・ウルフ,
鴻巣友季子
読了。 意識の水溜まりを泳ぐように、人物たちの視点や内面世界を渡り歩く。そういう読み方が馴染んでくると、一気に楽しめるようになった。 晩餐会で人々が集まると、「意識たち」が影響し合うめまぐるしさ、人生の多様さに圧倒される。人生の多様さという点では、10年後のリリーの独白には特に胸を衝かれた。 全編を通じて情景描写がうつくしく、随所で絵画的なイメージが浮かんでくる。 他の方の感想で、ただ一人だけ、読者が意識に入れない登場人物=カーマイケル氏だと気付かされた。こういった構造面も踏まえて読めていれば、もっとラストに感慨を得られたかもしれない。 いつか再読したくなるだろうか。 以下、極めて個人的な感想。 いわゆる感情労働、ケアの無言の強制、たいていにおいてラムジー氏が女性に対して無意識にも半意識的にも(!)行っているものに、うんざりげんなりし続けた。 なぜうんざりするかと考えれば、100年経っても全然過去のものになっていないから。 リリーが受け入れるものかと抵抗し、その後、罪悪感を感じ(させられ)てしまうシーンなど、本当に自分のことかと思った。 母親亡き後、子どもがあの父親の下で暮らすのは率直に言って心配。私が親戚のオールドミスなら、何かにつけて介入してしまいそう。 反抗しつつも父への愛着を捨てきれない子どもたちに、子の哀しさを感じてしまった。
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