イシイルカ "光のとこにいてね" 1900年1月1日

光のとこにいてね
あの日、団地の上と下で出会った二人の、まるで往復書簡のような交流。 母親から激しくネグレクトされていた少女と、恵まれた環境ながら、母親を異常に恐れる少女との偶然のそして運命の邂逅。 時計の読み方もわからず、ボサボサの髪の毛で、興奮のあまり鼻血を出したりしていた女の子が、やがて超絶美少女へと変身して、奨学金で名門女子校に入学し、あのときの彼女と念願の再会をするという、この前半でもう全てを語り尽くしたような印象があったけれど、物語はまだ半分。二人の決して明るくない人生は更に進む。 アパートの隣、キミドリの飼い主のチサさんとの交流がとても良い。ボーナス・トラックでのやりとりもとても美しかったなあ。 果遠と結珠の二人の、尊い、そして愛おしい微妙に付かず離れずの、読者としてはややもどかしいくらいのやり取り。 物心つくかつかないような幼い頃からの繋がり、心の絆、時計の読み方を教えたときの果遠の反応に、両親の望む医者ではなく、小学校の教員を志すきっかけになったという結珠の話は涙を禁じえない。 願わくは、結珠も果遠も、せめて少しでも幸せな人生を送ってくれれば、と。
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