たま子 "ダロウェイ夫人" 2026年6月29日

たま子
たま子
@tama_co_co
2026年6月29日
ダロウェイ夫人
ダロウェイ夫人
ヴァージニア・ウルフ,
丹治愛
p272 おれたちが実際に出会う時間は、短く、断片的で、しばしば苦痛をともなうものだった。(…)だがその出会いがおれの人生に及ぼした影響は測り知れない。その影響にはなにか神秘的なところがある。ひと粒の鋭く先のとがった不快な種子があたえられるーーそれが実際の出会いだ。(…)だが会わずに離ればなれでいるうちに、その種子はまったく思いがけない場所で蕾となり、花ひらき、香りをはなつ。そしてその出会いが記憶から失われて何年もたってから、おれたちはその花に触れたり、その香りを楽しんだり、自分についてあれこれ思いめぐらすうちに、その出会いがもっていた全体的な意味を感知し、理解することになるのだ。 『ダロウェイ夫人』読み終える。今回はピーターやセプティマスの言葉がよく馴染む。去年初めて読んだときは目まぐるしく移り変わる視点や、眩く美しい世界にとにかくどきどきわくわくして仕方なかったのが、今回はすこし落ち着いた状態で、瞬間の喜びと悲しみに浸るような読み心地だった。読みの記憶がまだ新鮮なうちに読み直すということを普段あまりしないので、それはそれですこぶるたのしい。
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